アップルがMacBookやiPadの価格改定に踏み切ったことで、世界のデジタル機器市場に新たな動きが広がっています。今回注目されたのは、需要期とされるタイミングで値上げが実施された点と、主力製品であるiPhoneが対象外となった点。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは今回のメルマガで、今回の価格改定の背景を整理するとともに、今後のiPhone価格やアップルの販売戦略にどのような影響が及ぶのかを考えます。
アップルがMacBook、iPadなどをついに値上げ―-値上げを見送ったiPhoneのXデーはいつなのか
アップルは6月25日、MacBookやiPadの値上げを行なった。
9万9800円だったMacBook Neoは11万9800円と2万円の値上げ。27万9800円のMacBook Pro(14インチ、1TB)は33万9800円と6万円も値上げされた。
先日、ティム・クックCEOが値上げを予告したばかりだったが、まさかこんなにも早く実施されるとは思わなかった。
今回、行われたMacBookやiPadの値上げ、意外だったのが、アメリカにおける夏休みのタイミングでの実施だったという点だ。アメリカの学校は秋に始まって春に終わる。
今のタイミングは秋に向かって進級入学需要として本来であればMacBookやiPadが売れる時期であったはずだ。商戦期であるはずのこのタイミングにあえて値上げということは、アップルとしても我慢の限界だったのだろう。
アップルは海外のメディアに対して「これほど急激かつ大幅な部品価格の上昇はかつてなかった。これまで顧客に価格上昇の影響が及ばないよう配慮してきたが、 多くの製品で値上げを開始せざるを得ない段階に至った」とコメントしたという。
ここで注目なのが「多くの製品で値上げを開始せざるを得ない段階に至った」という文言だ。
今回、なぜかiPhoneは値上げされていない。
しかし、「値上げを開始せざるを得ない」ということは、iPhoneもいずれ値上げされるのは間違いない。
おそらく、アップルとしては例年9月に実施されるiPhoneの新製品発表を待つのかもしれない。
なぜなら、9月までにサムスン電子がGalaxy、さらにはグーグルがPixelの新製品発表を行う可能性が極めて高いからだ。
アップルとしてはライバルが新製品を発表する前に慌てて値上げするよりも、敵の値付けを見てから値上げ幅を決めたほうが得策と判断したのではないか。
サムスン電子・Galaxyは当然のことながら折りたたみが本命となる。
アップルとしても、9月に折りたたみを発表するのであれば、Galaxyがいくらになるかを見定めてから価格を決定。さらにその価格に見合った形で、既存製品の価格改定を行う流れになるのではないか。
iPhoneを買おうか迷っているユーザーとすれば「MacBookやiPadが値上がりし、iPhoneもいずれ値上げするのなら、今のうちに買っておくか」と駆け込み需要が増すことだろう。
アップルとしては新製品の登場まで、在庫品を処分するには打ってつけのタイミングと言える。
MacBookやiPadの需要が落ちる見込みの中、iPhoneだけでも売上増を期待していることだろう。
この記事の著者・石川温さんのメルマガ
image by: RYO Alexandre / Shutterstock.com