ローマ教皇「核保有、平和への答えにならず」 核廃絶メッセージ―長崎と広島訪問

2019.11.24
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by 時事通信

原爆落下中心地碑の前でスピーチするフランシスコ・ローマ教皇=24日午前、長崎市

原爆落下中心地碑の前でスピーチするフランシスコ・ローマ教皇=24日午前、長崎市

 来日中のフランシスコ・は24日、被爆地の長崎市を訪問した。同日夕には広島市も訪れる。教皇の被爆地訪問は、故ヨハネ・パウロ2世以来38年ぶり。被爆者らを前に、「核兵器や大量破壊兵器を所有することは、平和と安定の望みへの最良の答えではない」と核兵器廃絶を求めるスピーチを行った。
 フランシスコ教皇は「広島と長崎から人類は学んでいない」と発言するなど、2013年の就任以来一貫して核兵器廃絶の必要性を訴えてきた。


信徒らの歓迎を受けるフランシスコ・ローマ教皇(中央)=24日午前、長崎市

信徒らの歓迎を受けるフランシスコ・ローマ教皇(中央)=24日午前、長崎市

 教皇は24日午前、雨が降る中、長崎市の爆心地公園を訪れ、原爆の犠牲者に対して献花し、黙とう。その後、被爆者ら約1000人を前に、核兵器廃絶に向けた演説を行い、「ここは、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的結末をもたらすことの証人である町だ」と指摘した。
 また、武器の製造や維持に多額の費用が使われていることは「途方もないテロ行為」だと批判。核兵器規制の国際的枠組みが崩壊の危機にあると警鐘を鳴らし、核兵器禁止条約を含め核軍縮と不拡散への取り組みを各国に呼び掛けていく決意を表明した。
 さらに、政治指導者に向けて「核兵器は国家や世界の安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない」と訴えた。(2019/11/24-14:44)

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