あの中森明菜の「全財産」と「銀行通帳」暴露本仕掛け人が回想する「なぜ明菜は全財産を常に持ち歩いていたか」…消えた歌姫 昭和秘話

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『週刊文春』5/2・9号に踊った「中森明菜(58)『歌いたい。でも、もう声が出ないの』《金屏風会見から34年、歌姫の現在地》」の見出し。昭和の歌姫の近況を伝えるこの記事に、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんの胸がざわつきました。実は芋澤さんは、1994年に発刊された暴露本『中森明菜 哀しい性』の仕掛け人だったのです。「文春が言うところの“得体の知れない人間”のひとり…明菜を人間不信に陥れたのが私」という芋澤さんが、当時の知られざる裏事情を回想します。

実は私、“暴露本”の仕掛け人でした

『週刊文春』が“昭和の歌姫”“消えた歌姫”中森明菜の現在地を報じていました。

アーティスト生活42年目を迎える明菜…彼女の1曲1曲に、その当時の自分を思い出します。

私の芸能記者としてのキャリアは、まさに明菜の衝撃的な半生とリンクしているのです。

私が記事中で目を止めたのは、彼女がお母さんと慕った人物が暴露本を出版…の件でした。

明菜が大手芸能事務所を、決して円満ではない状態で退所したばかりの、“得体の知れない人間しか近寄らなく”なった頃の話です。

実は私、この“暴露本”の仕掛け人でした。

『週刊文春』が言うところの、“得体の知れない人間”のひとり…近藤真彦や故・メリー喜多川代表取締役会長と同列に、明菜を人間不信に陥れたのが私というわけです。

「明菜の私生活を本にしたい」その時、何が起きていたのか

この“暴露本”で私の頭にすぐ思い浮かんでくる景色は、台東区千駄木の坂下にある古ぼけたコーヒーショップです。

私はこのコーヒーショップで、明菜が“お母さん”と慕っていた実業家と、私が可愛がっていた後輩記者の2人から、「中森明菜の私生活を本にしたい…」と相談を受けたのです。

詳しくは述べませんけれど、この実業家も、当時傍にいたスタッフ同様、仕事や私生活で明菜に散々振り回されていたひとりで、度重なる仕事のドタキャンで訴訟の準備もしていたぐらいです。

裏切られた…」「失望した…」そんな言葉が度々聞かれる話をよくしていたのを憶えています。

絡んだ糸のなれの果てが暴露本出版となってしまったわけです。

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中森明菜は「全財産」を常に必ず持ち歩いていた

この実業家との話の中で、私が今でも印象に強く残っているのが、明菜はいつも複数の通帳と印鑑を肌身離さず持ち歩いている…というものでした。

例えば、普通にただ食事に行こうという時でも、明菜は全財産を常に必ず持ち歩いている…というのです。

私が「自宅に置いておいたらマッチ(近藤真彦)に使われてしまうから…とか?」と、冗談半分で言うと「たぶん…ね」と大笑いしていました。

近藤との交際のトラウマが、こんなところにも顔を覗かせていたというわけです。

続けて「何冊くらいの通帳を持っていたのですか?」と聞くと、しばらく考えてから「7~8冊はあったかな…」と答え「1冊の残高は数千万円単位だったと思う」と、聞いてもいないことまで教えてくれたのです。

明菜が少しでも動く度に億単位のお金が動いていた当時、細かい契約内容までは知り得ませんが、数々のヒット曲の歌唱印税が積もり積もっていたというわけです。

時代もちょうど“バブル”が儚く泡と消える前の頃ですから、明菜の芸能活動を振り返ってみれば当然と言えば当然の報酬でしょうけれど…凄いですよね。

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歌姫の、これからの人生に祝福を

私は結局、この記事からは“現在地”はよくわからないままという感想を持ちましたが、このところYouTubeで続けて配信された明菜のレコーディングスタジオ風景には“危なっかしいけど元気は元気そうだな…”という印象を持ちました。

囁くように歌う歌声にはかつての“歌姫”が蘇りましたが、声を張るメロディラインの歌唱には“かすれ”も聞き取れ“やっぱり寄る年波には勝てないか…”と現実を感じました。

『週刊文春』の記事には“ジャズは声を張り上げなくてもよい”というレコード会社関係者のコメントも載っていましたが、私はこれは違うような気がします。

まるで“声が出なくなったからジャズ風アレンジに逃げた”ようで…これには『SEIKO JAZZ』なる3作のアルバムを出している松田聖子も同意見ではないでしょうか…。

中森明菜も松田聖子も、デビューしたての頃から、昨今のアーティストとは絶対に比べものにならないほど歌が上手いのは誰もが認めるところでしょう。

時代がそうさせていたのかもしれませんが、楽曲にしても、名曲ばかりだと私は思います。

そんなお金とは違った財産を持ち得たのは、やはり中森明菜というアーティストが存在しているからで、誰も真似のできない“性”…運命です。

代償は十分に払ったはず…もう後は、自分の思うままに生きていっても誰も非難しないし、誰も非難できない…個人的にはそんな気がしています。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: Tsuyoshi Inagaki, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

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