選挙の「本人確認」はどこまで必要か?日本と米国、選挙制度に見る「信頼」の差

Digital,Identification,Or,Digital,Id,Concept.,Accessing,Databases,By,Digital
 

米国では選挙の本人確認や投票方法をめぐる議論が、政治対立の中心的テーマとなっています。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、2月3日および6日付のニューヨークタイムズの記事から、アメリカにおける選挙の本人確認を義務付けるSAVE法の説明とともに、アメリカと日本の選挙の「信頼」の担保について語っています。

選挙におけるID証明(本人確認)。日本と米国

私は期日前投票をしたのですが、郵送でもらった投票書類を出すと「本人ですね?」と言われて、「ハイ」と答えたのが唯一の本人確認でした。

本人確認が実質的にないです。

この投票制度、大差がつくような選挙結果であれば問題ないでしょう。

しかし1%以下の接戦であればどうでしょう。負けた方はどう思うでしょうか。

「他人になりすます不正はなかったのか」と疑うのも無理はないでしょう。

本日、ご紹介するのは米国ニューヨークタイムズ2月3日および6日の記事です。

記事抜粋

トランプ氏は腐敗が蔓延する選挙に連邦政府が「関与すべきだ」と述べ、地方選挙を統制する権利を連邦政府が奪うべきとの立場を再確認した。

ホワイトハウス報道官のアビゲイル・ジャクソン氏は声明で次のように述べた。

「トランプ大統領は、我が国の選挙の安全性と信頼性を非常に重視しています。

だからこそ、大統領は、投票時の写真付き身分証明書について全国共通の基準を設け、正当な理由を必要としない郵便投票を禁止したいのです。

そして『バロット・ハーベスティング』の慣行を終わらせるためのSAVE法およびその他の立法提案を可決するよう求めてきました。」

解説

SAVE法とは何でしょうか?

SAVE法は、米国連邦議会で審議されている法案です。「連邦選挙の有権者登録時に、米国市民であることを書類で証明することを義務づける」ものです。

ご存じのとおり、米国選挙では事前の有権者登録が必要です。

現在は、有権者登録の際、申請者は「私は米国市民であり、投票資格を満たしています」という宣誓(署名)を行います。

虚偽の場合は刑事罰の対象ですが、出生証明書やパスポートなどの提出までは通常求められていません。

SAVE法は、この仕組みを変更し、宣誓だけでは不十分として、市民権を示す公的書類の提示を必須にしようとする法案です。

もう一つの、バロット・ハーベスティングとは、有権者が他人の投票用紙を代わりに提出する行為です。州によって合法な場合と違法な場合があります。

米国マスコミは「米国の選挙において違法なバロット・ハーベスティングが広範に行われていることを示す証拠はほとんどない」と主張します。

しかし不正が発生しやすいことは子供でもわかります。

SAVE法成立とバロット・ハーベスティングの禁止はまだ議論中です。

これがアメリカの現実です。

トランプ大統領、「2020年の大統領選挙は盗まれた」なんて言うから、マスコミは反論して叩くのです。

「選挙が盗まれたとは言わない。しかし、今の米国の選挙システムには不正の余地が十分にあるから改善すべきだ」と語りかければ、十分に説得力をもつのです。

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 』

【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

print
いま読まれてます

  • 選挙の「本人確認」はどこまで必要か?日本と米国、選挙制度に見る「信頼」の差
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け