日産新社長、業績回復に全力 ルノーとの統合に否定的

2019.12.02
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by 時事通信

記者会見する日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者=2日午後、横浜市西区

記者会見する日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者=2日午後、横浜市西区

 1日付で専務執行役員から昇格したの内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)(53)は2日夕、横浜市内の本社で記者会見を開いた。内田氏は「日産は非常に厳しい環境にある」と述べ、低迷する業績の回復などに全力を挙げる考えを表明した。企業連合を組むフランス自動車大手ルノーとの関係については「会社の独立性を保持しながら活動を進める」と語り、経営統合には否定的な姿勢を示した。
 日産では、前会長カルロス・ゴーン被告の不正が発覚した昨年11月以降、経営の混乱が続いている。内田氏は「この1年大きな混乱を来し、世間を騒がせてきたことを厳粛に受け止めている」と陳謝。過去の経営陣の経営手法に関しては「短期的成長を求め、技術開発など必要な投資に影響を及ぼした」と指摘し、過大な数値目標を掲げたゴーン路線とは決別する方針を強調した。
 ゴーン体制下で策定された2022年度までの中期経営計画についても「社内で議論し、しかるべきタイミングで説明したい」と見直す考えを明らかにした。
 ルノー、との3社連合に対しては「日産にとっても重要な競争力だ。過去にシナジー(相乗効果)を通じて成長してきた」と説明。ただ、「何がうまくいっていて、何を変えなければならないか論議する」とも語り、協力分野を洗い直す可能性に言及した。ルノーとの統合や、資本構成の変更については「そういう話は全くしていない」と否定した。(2019/12/02-20:32)

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