仙台高裁、岡口裁判官の懲戒申し立て 「FBで遺族侮辱」―異例の2度目

2020.01.27
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by 時事通信

岡口基一 裁判官

岡口基一 裁判官

 ツイッターへの不適切な投稿で最高裁から戒告とされた岡口基一判事(53)について、仙台高裁は27日、フェイスブック(FB)への投稿で殺人事件の遺族を侮辱したとして、懲戒を求める「分限裁判」を最高裁に申し立てた。同一判事が2度、分限裁判を申し立てられるのは異例。
 仙台高裁などによると、岡口判事は2019年11月12日、自身のFBのアカウントで、東京都江戸川区で高校3年の女子生徒が殺害された事件に言及。遺族が同判事を国会の裁判官訴追委員会に訴追請求したことを取り上げ、「遺族は俺を非難するよう洗脳された」などと投稿した。
 この日は女子生徒の命日で、遺族は同月、同高裁に抗議。岡口判事はこの事件について、東京高裁に所属していた17年12月にもツイッターに「無惨(むざん)にも殺されてしまった」などと投稿、厳重注意を受けており、仙台高裁は「遺族を侮辱し、裁判官に対する国民の信頼を損ねた」と判断した。
 岡口判事をめぐっては、飼い犬の所有権訴訟に関する投稿で当事者の感情を傷つけたとして、東京高裁が分限裁判を申し立て、最高裁は18年10月、「表現の自由を逸脱した」と判断し戒告処分とした。裁判官訴追委も罷免を求めて弾劾裁判所に訴追するか否かを審議しており、19年3月には岡口判事に出頭を求め、投稿の経緯などを聴取している。(2020/01/27-18:55)

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