菅首相「経済再生は最重要課題」 雇用悪化、一段の財政出動も―コロナ危機

2020.09.17
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by 時事通信

 16日発足の菅義偉政権にとって、新型コロナウイルスの感染拡大で戦後最悪の落ち込みとなった経済の立て直しは待ったなしだ。菅新首相は日銀による大規模金融緩和、今後10年間の消費税増税不要といった安倍晋三前首相の路線を継承する。政府は今年度の2度にわたる補正予算でコロナ対策に取り組んでいるが、菅氏は必要なら第3次補正の編成も含め、さらなる経済対策を講じる構えだ。
 菅氏は同日夜の記者会見で、「経済の再生は引き続き政権の最重要課題だ」と強調。コロナ後の社会の構築に向け、「集中的に改革をし、必要な投資を行い、再び強い経済を取り戻したい」と抱負を述べた。
 求職者1人当たりの求人数を示す7月の有効求人倍率は7カ月連続で低下。1.08倍となり、2013年10月以来の1倍割れが目前だ。雇用情勢の悪化は深刻で、対応の遅れは許されない。収入が絶たれかねない家計の支援や、落ち込んだ企業業績を回復軌道に戻す取り組みも不可欠だ。
 菅氏は国民や中小企業への追加給付金について、自民党総裁選中に「必要であればしっかり対応したい」と表明した。中小企業を支援する持続化給付金は最大200万円。雇用維持に協力した企業を支援する雇用調整助成金は財源不足が懸念される。こうした制度の追加対応に踏み切るのか、景気動向を見極めながら難しい判断を迫られる。
 菅氏の経済政策「スガノミクス」は、デジタル庁創設や携帯電話料金の一段の引き下げ、地方銀行の再編といった個別分野での改革を打ち出しているが、全体像がはっきりしない。今後の具体化に国内外の市場関係者の高い関心が集まる。
 菅氏は「自助・共助・公助」を目指すべき社会像に位置付ける。最低賃金の引き上げを目指す政策の一つに掲げるが、コロナ禍に苦しむ中小企業の経営を圧迫するリスクもはらむ。政府内では、「(市場原理や規制緩和を重視する)新自由主義的な経済政策をもっと進めていくのだろう」(経済産業省幹部)との見方が出ている。
 一方、国・地方の長期債務残高は今年度末に1200兆円近くに上る見込み。コロナ対策を講じながら、財政の中長期的な健全化に道筋を付けることが求められる。経済界からは「財政構造を見直していくためには消費税率引き上げは当然ながらあり得る」(桜田謙悟経済同友会代表幹事)との指摘もある。
 菅氏は総裁選中、「行政改革を徹底して行った上で、消費税は引き上げざるを得ない」と発言した翌日に10年間不要と軌道修正。将来世代にツケを回さないためにも、財政再建に対する菅氏の姿勢が問われる。(2020/09/17-07:10)

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