京都・兵庫、緊急事態要請 人の流れ抑制、関西圏一体で
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、京都府は21日、国に緊急事態宣言の発令を要請した。政府が大阪、兵庫両府県に緊急事態宣言を発令する方針であることから、同じ生活圏の京都も同一歩調を取り、関西3府県一体で人の流れを抑制する必要があると判断した。兵庫県も同日、宣言発令を政府に要請した。
京都府内では21日、新たに128人の感染が確認された。20日時点で、直近1週間平均は109.86人、すぐに使える病床の使用率も58.3%に上る。
西脇隆俊知事は21日の臨時記者会見で「感染拡大の波を抑えないと、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)を通じて救える命も救えなくなる」と危機感を表明。「(大阪、兵庫を含め)3府県そろった形で人の流れを止める必要がある」と強調した。具体的な対策は国と調整するが、西脇氏は「基本的に学校休業は全く考えていない」と説明。オンライン授業の活用にも消極姿勢を示した。
兵庫県では21日、新たに過去最多の563人の感染を確認。入院調整や自宅療養の患者も計2000人を超え、井戸敏三知事は同日の記者会見で「医療崩壊の危機にひんしかねない」と指摘。人の流れを抑制する対応が必要として、デパートや大きなショッピングモールなどへの時短や休業要請も視野に入れると説明し、飲食店には酒類を提供しない営業を求める方向とした。期間は1カ月程度を候補に挙げた。(2021/04/21-20:44)