無症状でも3割に後遺症 長期化顕著、1年後も4%―コロナ感染・世田谷区報告

2021.11.27
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by 時事通信


【図解】新型コロナ後遺症の主な特徴

【図解】新型コロナ後遺症の主な特徴

 新型コロナウイルスに感染したが無症状だった場合でも、約3割に後遺症が出ることが東京都世田谷区の調査で分かった。長期化の傾向も顕著で、後遺症が出た人の約4%が1年後も苦しんでいた。今夏の「第5波」は過去最大の流行となったが、感染中は発症していなくても、一定の割合で後から症状が出る恐れがある。
 世田谷区は9月、4月15日時点での区保健所への発生届を基に実施したアンケートの速報値を公表。約3700人が回答していたが、区は今月、このアンケートを詳細に分析した調査報告書をまとめた。
 後遺症が出たのは全体の48.1%で、女性54.3%、男性41.9%だった。感染中の症状別に見ると、無症状者の27.5%が後遺症を訴えた。軽症者は61.3%、中等症は61.2%、重症者は73.7%だった。後遺症の症状は複数回答で、基礎疾患がある場合は過半数が全身の倦怠(けんたい)感を訴え、ない場合は嗅覚障害と味覚障害を訴える割合が半数を超えた。
 報告書では、後遺症が長期化する傾向も明らかになった。男性では67.7%が陽性診断日から1カ月後も症状があった。時間の経過とともに割合は低下したが、半年後は22.2%、1年後でも3.6%の人が後遺症を訴えた。女性の場合は同様に64.4%、19.3%、3.5%となった。
 日常生活に3カ月以上支障がある症状を複数回答で尋ねると、最多は嗅覚障害で回答者(346人)の4割近くを占めた。他は全身の倦怠感28.0%、味覚障害21.7%、集中力の低下20.5%、睡眠障害18.5%などが目立った。嗅覚障害は20~40代の男女で、倦怠感は50代男女や70~80代の女性で特に多かった。(2021/11/27-13:32)

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