自公推薦の渡具知氏再選 辺野古移設加速へ―沖縄県名護市長選

2022.01.23
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by 時事通信


渡具知武豊氏

渡具知武豊氏

  • 名護市長選挙で勝利し、花束を受け取る渡具知武豊氏(右)=23日午後、沖縄県名護市

 (沖縄県宜野湾市)の辺野古移設の是非が争点となった同県名護市長選は23日投開票され、推進派が推す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=が再選した。反対派の新人、岸本洋平氏(49)=立民、共産、れいわ、社民推薦=は及ばなかった。移設に反対する県側には打撃で、政府は計画を加速させる見通し。選挙結果は夏の参院選や秋の沖縄県知事選に影響を与えそうだ。
 名護市長選で移設問題が争点になったのは今回が7度目で、2018年の辺野古沿岸部への土砂投入開始後は初めて。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大する中での異例の選挙戦となった。
 有権者数は4万9959人。投票率は市長選で過去最低の68.32%で、前回を8.60ポイント下回った。
 渡具知氏は、米軍再編交付金を財源に保育料や給食費などを無償化してきた実績をアピール。コロナ対策にも全力を挙げる姿勢を強調した。一方、「辺野古は争点にならない」として、前回に続き計画の是非には言及しない戦略を取った。
 これに対し岸本氏は、在沖米軍基地からオミクロン株による感染が広がったと主張。基地建設の危険性を訴えたが届かなかった。
 玉城デニー知事は昨年11月、辺野古の軟弱地盤改良に必要な政府の設計変更申請を不承認とし、市長選でも岸本氏と連携して反対を訴えた。ただ、移設先で反対派の首長を生み出せなかったことで求心力の低下は避けられない。
 玉城知事は名護市で記者団に「辺野古の新基地建設に反対する方向性は1ミリもぶれることがないだろう」と述べた。(2022/01/23-23:43)

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