日米同性婚、相手の在留認める 法務省運用「憲法趣旨に反す」―過失は認めず・東京地裁

2022.09.30
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by 時事通信


東京地裁=東京都千代田区(AFP時事)

東京地裁=東京都千代田区(AFP時事)

 海外で同性婚した米国人のアンドリュー・ハイさんと日本人の康平さんが、アンドリューさんの「定住者」在留資格を認めなかった国の処分は違憲だとして、計1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は定住者の資格は認めなかったが、外国人同士の同性婚パートナーに認められる「特定活動」資格は許可すべきだったと判断した。
 日本人と同性婚した外国人は、法務省の運用で対象になっておらず、「法の下の平等を定める憲法の趣旨に反する」と指摘した。一方、当時は運用に疑義が呈されていなかったとして過失は認めず、賠償請求は棄却した。同性カップルの在留資格をめぐる司法判断は初めてとみられる。
 判決によると、アンドリューさんは2015年、康平さんと米国で婚姻。他の在留資格の更新が難しく、18年に定住者への変更を東京入国管理局に申請し、不許可とされた。
 市原裁判長は判決で、日本への定着が十分ではないことを理由に定住者資格は認めなかったが、長期滞在が可能な特定活動の資格を検討。同性婚した外国人のどちらかに在留資格があれば、相手に特定活動の資格を認めるとした法務省通知について「日本人の同性婚相手の外国人は対象外で、合理的根拠があるとは言えない」と指摘した。
 アンドリューさんについても「日本で安定的に生活できるよう人道的配慮をする必要があった」と判断。特定活動への変更も求めていたにもかかわらず、不許可とした入管の措置は「客観的に違法であり、不十分だった」と述べた。
 出入国在留管理庁の話 内容を精査した上で、適切に対応したい。(2022/09/30-20:21)

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