北朝鮮が日本海に短距離弾道弾2発 1週間で4回、米空母意に介さず

2022.10.01
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by 時事通信


【図解】北朝鮮の弾道ミサイル発射

【図解】北朝鮮の弾道ミサイル発射

 【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は1日、平壌の順安空港一帯から日本海に短距離弾道ミサイル2発を発射した。防衛副大臣によると、飛距離は約400キロと約350キロ、いずれも最高高度50キロ程度の低高度で、変則軌道の可能性がある。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。
 北朝鮮は9月25日、28日、29日と弾道ミサイルを相次いで発射している。米韓海軍は、米原子力空母「ロナルド・レーガン」も参加し26~29日に日本海で大規模な合同演習を実施。同期間にはハリス米副大統領が日韓を歴訪したほか、日米韓は30日、ロナルド・レーガンも動員して対潜水艦戦訓練を行った。
 井野氏は「1週間で4回の例は過去にない」と指摘。北朝鮮は、米韓演習の間はミサイル発射などを控える傾向があり、訓練期間に合わせて立て続けに挑発行為に及ぶのは異例だ。専門家の間では「空母を含む米軍事力など意に介さないという自信を示そうとした」という見方が出ている。
 また、4回の発射には夕方や夜間も含まれ、命中精度を高めるなどミサイル技術の向上を図ると同時に、訓練中である日米韓の探知能力や反応を試す狙いもあるもようだ。
 一方、韓国の尹錫悦大統領は1日、「国軍の日」記念式典で演説した。ミサイル発射には直接触れなかったが、「北朝鮮が核兵器使用を企てたら、韓米同盟と韓国軍の圧倒的対応に直面するだろう」と警告。米韓合同軍事演習をより強化し、「北朝鮮の挑発と脅威に強力に対処する『行動する同盟』を具現化していく」と強調した。
 発射されたミサイルは、変則軌道を特徴とする「KN23」や「KN24」だった可能性がある。日米韓外交当局の北朝鮮担当幹部はそれぞれ2者間の電話協議を通じて発射を非難し、3カ国の連携を再確認。日本政府は北京の大使館ルートで北朝鮮に抗議した。(2022/10/01-15:51)

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