韓国の寺の所有権認めず 対馬の盗難仏像、一審覆す―韓国高裁

2023.02.01
0
by 時事通信


「観世音菩薩坐像」=撮影日時不明(韓国政府提供、AFP時事)

「観世音菩薩坐像」=撮影日時不明(韓国政府提供、AFP時事)

  • 1日、韓国中部・大田で対馬の盗難仏像を巡る高裁判決後、取材に応じる原告の浮石寺側関係者

 【大田(韓国)時事】長崎県対馬市の観音寺から2012年に韓国人窃盗団が盗んで韓国に持ち込んだ県指定文化財の仏像「観世音菩薩坐像」に関し、韓国中部・大田高裁は1日、韓国の寺の所有権を認めた一審判決を取り消し、訴えを棄却する判決を言い渡した。原告の韓国の寺側は上告する意向を示した。
 日本政府が仏像の引き渡しを求めてきたが、韓国中部・瑞山の浮石寺が、14世紀に日本人主体の海賊「倭寇」によって持ち去られたと所有権を主張して提訴。大田地裁は17年1月、浮石寺の主張を認める判決を出し、被告の韓国政府が控訴していた。
 判決は、仏像が韓国で作られ「倭寇が略奪し日本に不法に搬出したと見なすべき相当の状況証拠がある」と認定。しかし、14世紀に仏像を作った浮石寺と、原告の浮石寺が同じだと認める資料が不足していると指摘した。
 さらに、倭寇に不法に持ち出されたとしても「観音寺が宗教法人化してから20年たつ1973年に民法上の取得時効が成立している」と判断。「原告が仏像の所有権を取得したと見なすことはできない」と結論付けた。(2023/02/01-17:12)

print

人気のオススメ記事