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日本はなぜ、精神的に「難民」を受け入れられないのか?

11月26日、日本記者クラブでの会見の席上、日本に対して難民受け入れ制度の改革を求めた国連難民高等弁務官。しかし『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』では、侵略にも難民にも慣れている欧米と日本とでは土壌が違うと反論しています。

難民受け入れは必ず「平和な国日本」の安全を脅かす

今、ヨーロッパは中東からの大量の難民で苦しんでいます。シリアから地中海を経由してヨーロッパに移動する難民の数は400万人と言われ、世界の難民の数6,000万人の1割に達しようとしています。

中東からの難民はオスマントルコが滅びた後、イギリスとフランスがシリアやイラクを植民地(信託統治)にして利権をむさぼったこと、イスラエル建国とその後のアメリカの政策によって混乱が続いていることの結果ですから、自分が働かずに他人の富をとったヨーロッパの自業自得とも言えるのですが、日本でも「難民を受け入れるべきだ」という意見があります。

第一の視点は「侵略と難民」が密接に関係していることです。

1つの国が乱れてその国の中に住んでいられないということも起こりますが、そのような例は歴史的には少なく、普通は「外国が攻めて来たり、民族が大移動してくる」ことによって大量の難民がでます。

たとえば現在のシリアですが、紀元前1200年ぐらいにカスピ海の北方からアーリア人がギリシャにやってきて、ギリシャにいる人を追い飛ばし、ギリシャの人が地中海沿岸やキプロスに住んでいる人を追い出し、「海の民」と呼ばれていた人が逃れてきたのが現在のシリアの地です。

つまり「侵略すれば、そこに住んでいた人たちが難民になる」ということになりますので、世界で侵略ばかりしているアーリア人(ヨーロッパとアメリカ)は侵略も慣れているし、難民の受け入れも慣れているということです。

これに対してアジアは中国などを除いて、歴史的にほぼ「自分の国の中で生活する」ということが多かったので、難民も少なく、難民を受け入れる土壌もありません。ヨーロッパの学問だけを知っているいわゆる「知識人」と言われる人が「日本は難民を受け入れるべきだ」と言っていますが、実は難民受け入れというのは「侵略が多かった国」の文化で、むしろ難民の人も自分の国を離れるということは大変なことですから、「難民が出ないような政策」をとる方が良いのです。

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image by: Janossy Gergely / Shutterstock.com

 

武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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