話下手というのはイメージしやすいですが、聞き下手と言われてもイマイチピンときませんよね。ですが最近、その「聞き下手」の人が増えているそうです。忙しい世の中が悪いと思ったそこのアナタ。本当はじっくり聞く「気持ちの余裕」がないだけなのかもしれません。無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の解説を詳しく見ていきましょう。もにょもにょの裏にある言葉や気持ち。本当に大切なものはそういうところに隠れているのではないでしょうか。
もにょもにょを聞こう
さて、本日は下手が増えているというお話。
最近こんなこと言っちゃった方、手を挙げて。
「結論を先に言え」
「要するにどういうこと?」
「ハッキリ言いなさい」
…いや~、ついさっき言ったばっかりなんて方もたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。
こういうセリフって、なんというのか、合理的なんですよね。いや、褒めてないですよ。悪い意味で使っているんです。
結論とか要約とかポイントとかって、テーマや課題があるから可能になるわけですよね。話す前にそれがあって、これに沿って話をするわけです。クリアすべきことが決まっていてそこに一直線にできるだけ早く辿りつけることが素晴らしいという価値観です。
別の言い方をすれば、あるいは厳しい言い方をすれば聞き手が自分が(勝手に)設定したテーマに合うものだけを拾って聞いて、残りは全部無視している(◆×◆) とも言えるのです。
・結論に結びつかないもの
・要約で省略された部分
・言語化できないニュアンスや雰囲気
…こうしたモノはなかったことになるわけです。
でね( ̄▲ ̄;) こんな感じの会話、ビジネス以外の場所で、平たくいえば家庭でやっちゃってませんか? お子さんとかパートナーとかに。
「で、どういうことなんだ?」
「ハッキリしなさい!」
「なにが問題だったの?」
「結論が見えているだろ」
…。あ~、私も言っちゃっているかも(汗)。これはじつにマズいと思うんです。
そもそもこの会話方法は合理的ですよね。ですが、それだけに設定されたテーマや課題から外れたことは話せなくなるんですよ。おかしなことですが、話す前からテーマや課題への適合性が検討されていて、適合的でないものは、話してはならないルールなんです。
これだと、事前に適合性を検討できる知性が必要になりますし非適合的なものは全て聞くことすらできません。
…いや~、フモーな会話( ̄■ ̄|| だよなあと思うのは私だけでしょうか。だいたいからして、課題とかテーマとかかある会話の方がマレなんであってフツーは
・あっちに飛んでこっちに戻って
・ああも思うし、こうも思う
・あんなふうに感じるし、こんなふうにも感じる
ものです。そもそも日常会話ってそういうモンです。
それを言葉にすることで、徐々に気持ちが整理されるのであって、気持ちや考えを整理してから言葉にするわけじゃありませんよね。順序が逆なんです。特に自分の考えをまとめたり表現したりするのに時間がかかったり語彙や表現力が貧困で話すのが苦手な人は、会話が遅い上にトビまくる傾向があるものです。そういう人たちにこの合理的な会話方法を強要(彼らから見ればそう見えるはずです)すれば、どうなるのか。
おそらく話さなくなる( ̄- ̄) でしょう。
昨今は、この合理的な会話方法がビジネス以外の場面でも蔓延してきているんです。おそらくみんなが忙しすぎて、速く結論に達したいということナンでしょう。気持ちの点で言えば、余裕がない(@0@;;) のであり、コミュニケーションのあり方として言えば、相手のペースに乗って聞いてあげられないってことかもしれません。つまりみんなが聞き下手になっているんですね。
特に子供などは、自分の感情や状態を的確に表す言葉をまだ知りません。振り返ってみても、中学生のときのイライラした気持ちは
・オトナへの怒り?
・自分へのいらだち?
・体か成熟していく不快感?
なんだったんでしょうか。こんな風に言い表しようのない気持ちを抱えているときに
「で? 何が言いたいの?(=_=)?」
とか言われた日にゃ
「…もういいモン!(/_;)」
って言いたくなりますよね。心の動きや考えの迷いをそのまま言葉にするのが、会話。今年は落ち着いて子供のもにょもにょを聞いてみませんか。
image by: Shutterstock
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