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「叱らない子育て」は虐待教育と同じ。子を傷つけない効果的な叱り方

お子さんを叱るとき、「人格を否定せず怒らずに」を心がけているけれど、子どもたちにあまり効果が見られない…と悩んでいる親御さんも多いはず。叱り方って本当に難しいですよね。家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、自身のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』で、親子ともにストレスのない叱り方を紹介しています。

子どもの人格を否定せずに叱るコツはありますか?

子どもたちを叱るとき、つい、怒ってしまいがちです。人格を否定しない、その場で叱る、と言われ、「何で○○なの?」「○○だとダメでしょう?」などと注意するのですが、叱った気になりませんし、子どもたちにもあまり効果がないようです。叱るときのコツはありますか? 

 

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答 

前回お伝えした「褒める」同様に「叱る」とは、子どもたちが、「親から認められている」と感じられる要因の一つです。

ただ、叱り方を間違えると自分は何をしてもだめだ、と自信を失くしてしまうのでコツを覚えて、親子ともにストレスのない叱り方をしましょう。

1.叱ってでも教えたいことって?

そもそも叱ることはそんなに多くありません。
子どもに叱ってでも教えたいことは、
◇危険
◇社会のルール
◇家庭のルール の3つ程度。

危険なことについては、命にかかわることですし、緊急度も高いため、その場で語気を強めたり、強調したりして伝えることが必要です。その他ルールについては、その都度、穏やかに教えていきましょう。

2.かりてきたネコ:産業カウンセラー 渡辺卓氏 考案

叱り方のコツとして「かりてきたネコ」がわかりやすいです。
:感情的にならない
:理由を伝える
:手短に
:キャラクター(人格)に触れない
:他人と比較しない
:根に持たない
:個別に伝える

・感情的になると「叱る」ではなく、ひどい場合は「脅し」に近くなり、子どもの心に傷を負わせる虐待に発展する可能性もあります。
・人格に触れる叱り方をすると、子どもは自分を否定されたと感じてしまいます。正したいのは「人」ではなく「行為」だけです。

3.男女によって叱り方を変える

人間の脳は、一般的に男女に差があります。男性脳、女性脳があるのです※
そのため、叱り方もそれぞれが受け入れやすい叱り方した方が賢明。
男の子には端的に、女の子には感情に訴える伝え方が効果的です。
例えば、散らかしたものを片付けさせるときは、目線を合わせ、「この後、お客様が来るから部屋を綺麗にしたいの。お片付けをお願いするわ」と単刀直入に伝えましょう。「早く片づけなさい!」「なぜ片付けられないの?」などと言っても、無意味な質問です。何をどうしてほしいのかを具体的に伝えましょう。

女性脳は「察する脳」とも言われ、察する天才です。ですから、「女の子はわかっている」という前提で、なおかつ感情に訴えることがポイントです。
「部屋が綺麗だと、お客様もとっても気持ちがいいでしょう? 片づけをお願いいするわ」と、穏やかに伝えると効果的です。

◆家庭教育アドバイス…叱ることは必要です

子どもを大切に育てたいという観点から「叱らない子育て」がもてはやされています。
私個人の意見としては、「大切に育てたいなら叱りなさい」と言いたいのです。

叱らないまま育てられた子供たちは、教育現場の先生方にとっては敬遠したい子どもだそうです。
というのも「素直に注意を聞き入れない子ども」だからです。

叱られない子どもたちは「ふてくされる」「逆切れする」「言い訳する」という行為を取るため、やがて注意すらされなくなり、周囲からも「避けられて」しまいます。
叱られずに育てられる子供はある意味「虐待教育」を受けていると言えるでしょう。
適切に叱ることの大切さをどうか覚えておいていただきたいと思います。

image by: Shutterstock

 

子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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