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アメリカで巻き起こった「アイスコーヒー」ブーム。どういうこと?

桜の季節もあっという間に終わり、良い気候が続く5月。東京でもしばしば夏日を記録し、暑い季節が近づいてきています。こんな時に飲みたくなるのが、氷の音もカラカラと耳に心地よい、アイスコーヒー。最近はサードウェーブコーヒー店も次々に進出し、日本におけるコーヒー消費量増加に拍車をかけていますが、実は今、アメリカではアイスコーヒーがブームなんだそう。日本では明治時代からも飲まれていたというアイスコーヒーは、現代でもすっかりカフェメニューの定番となりましたが、そのアイスコーヒーが「ブーム」とは、一体どういうことなんでしょうか?

米国大手コーヒーメーカーが続々と展開するアイスコーヒー戦略

日本でコーヒーというと、自動販売機で手軽に買える缶コーヒーや、レコードが流れる昔ながらの「喫茶店」がかつての定番でした。

しかし、今ではすっかりお馴染みとなったスターバックスやタリーズなどの大型コーヒーチェーン店や近年の欧米におけるサードウェーブコーヒーブームの煽りを受け、日本のコーヒー事情も変化しています。

2015年、都内にオープンしたblue bottle coffeeや、ニューヨーク・ブルックリン生まれのGORILLA COFFEEは、今でも連日大行列、大盛況で、お昼時の席の確保は平日でも至難の業となっています。

そんなコーヒーブームの震源地ともいうべきアメリカで今、巻き起こっているのが、「アイスコーヒーブーム」。

何だか今更?という気もしますが、スタバなどの大手コーヒーメーカーから新進気鋭のカフェに至るまで、現在新しいアイスコーヒー商品を次々に開発中とか。

実はアメリカ人は大のホットコーヒー好き

冷たい飲み物としては、アイスティーやエナジードリンクなどがシェアの大半を占めており、アイスコーヒーの消費量は全世界のわずか10%

アメリカ国内では国民の20%のみがアイスコーヒーを好み83%はホットコーヒーを飲んでいるとのこと

確かに、カフェでは各々ホットコーヒーにミルクやシュガーを入れて、自分好みの「オリジナルコーヒー」をカスタマイズしている姿をよく目にします。

それが近年、アイスコーヒーのシェアが急増しているのです。

2009年には、そのオーダー数がコーヒーメニューの19%を占め、2013年の初めまでには24%まで上昇しました

特に18歳から24歳の若者の間でその消費量が急増。

38%の若者がアイスコーヒーを好んで飲むという、世界平均をはるかに上回るシェア率を達成したのです。

何がきっけかでこのアイスコーヒーブームが到来したのかは定かではありませんが、冷たい飲み物や砂糖たっぷりのソーダで育った多くの若者たちが、大人になってから飲み始めたコーヒーに対しても同様の役割を求めているのだと分析する専門家もいます。

また同時に、消費者の間では甘味ゼロのエスプレッソやラテといった、コーヒーそのものの味を堪能する飲料への需要も増え、より本格的な味わいを求める声も高まっています。

 

Nikkiさん(@nmauc11)が投稿した写真

その証拠に、アメリカでは冬場でもアイスコーヒーの注文数が増えており、スターバックスではアイスコーヒーの新メニュー発売によって、2015年四半期のアイスコーヒーの売り上げが全世界的に20%増、「より良質、より低カロリーで低糖」な、アイスコーヒーやラテを取り扱いたいというWal-Martやコストコといった大型ストアも次々に名乗りを上げています。

コーヒー大国アメリカが目指すのは日本!? 日本が最大のコーヒー消費国という驚くべき事実

実は日本は古くから世界最大のコーヒー消費量を誇り、その理由はカフェや喫茶店ではなく、何といっても「缶コーヒー」。

自動販売機やコンビニなど、いつでもどこでも低価格で手に入り、古くから慣れ親しんできた缶コーヒーですが、時代とともにそのクオリティも高まってきました。

そんな真のコーヒー大国に目を付けたのが、業界最大手のコカ・コーラ

アメリカやその他、海外のIllyと提携し、ボトルコーヒーおよび缶コーヒーの売り上げを世界規模で業界トップにまで押し上げましたが、その大きな要因は日本での売り上げなのだとか

Illyの日本での成功を受け、アメリカ国内でもスターバックスがペプシコーラと共同開発し、今夏新たにボトル入りアイスコーヒーを発売します。

他にも、大手コーヒーメーカーJAB Holdingsが展開するPeet’s Coffee & Teaや、Chobani yogurtが出資したLa Colombeなども、缶入りのアイスコーヒーやラテを続々と発売し、各メーカー競合している様子。

日本が最大のコーヒー消費国というのは何だか意外ですが、確かに日本の缶コーヒーのクオリティの高さとコストパフォーマンスに驚く外国人は多く、世界的に評価されているようです

SNS上でも日本のアイスコーヒーを賞賛する声が。

「日本旅行でアイスコーヒーをたくさん買うんだ!ハハ!」

 

「日本はアイスコーヒーが大好き。僕もアイスコーヒー大好き。日本大好き。帰りたくないよ!」

「アイスコーヒーを飲んで、日本のことを思い出しているよ」

「日本の美味しいコーヒーを手にいれた!」

海外ではまだあまり見かけない自動販売機も、日本の缶コーヒーの品質を保つ大きな理由のひとつ

このアイスコーヒーブームをきっかけに、日本の缶コーヒー技術にともなう日本メーカーの自販機の海外展開も見込めるかもしれませんね。

Image by: Shutterstock

Sourced by: BloombergBUSTLEbluebottle coffeeGORILLA COFFEE

文 / 貞賀 三奈美

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