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実家の親が「旅館が開業できるほどの食器」をいつまでも捨てない理由

帰省した際、思わず「もっと物を減らしたらいいのに」と言いたくなること、ありませんか? しかしその言葉を口にするの、ちょっと待って下さい。無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では、実家に物が溢れる「原因」と、親子でどう片付けに取り組んでいけばよいかを紹介しています。

それであなたが最後に親と話したのは?

さて、本日は親とのコミュニケーションのお話。

たまに親の家に行ってみると「どうやったらこんなにモノを溜め込めるわけ?」みたいな部屋があったりしますよね(^^;

モノのない時代に育った親の世代とは、所有に関する感覚が根本的に違っているので、こういうことは起りがちなんです。うん、あなたのトコだけじゃないですよ。

んじゃ、片付けようかと思うとき、最初にそしてもっとも真剣に取り組んで欲しいのが「あなたが」親とどう付き合っていくのかをよく考えるということです。

「え? 子供の側?」と思われるかもしれません。でも、ちょっと考えてみましょう。子供とはいえ、他者に自分の持ち物に指図される覚えはないですよね。それにも関わらず、親の持ち物をなんとかしようと思うのは、実はこうして欲しいこんな部屋に住んで欲しいという親への「あなたの」期待が叶えられていないからです。その期待を持っているのは、子供側なんですよ。念を押しますけど。

親はその有様…状態でも満足しているんです。ところが、子供の側はそれに満足していないのです。だから、子供側に葛藤や不満が生まれるのです。もっといえば、葛藤や不満を持っているのは子供側だけとも言えるんですね。しかも、ある程度年齢を重ねた人の部屋や家を片付けることは、その人の「人生自体の手じまい支度」という側面があるものです。ですから、ここではどうしても

という、実に重いテーマを語り合う必要があるのです。たとえば、食器ひとつでも(親御さんのお家にはフツー「旅館を開業するのかと思うほどの食器類がしまい込まれているもんですが)親子で、あるいは親自身が

「もう一人だし、そんなにたくさんの食器なんていらない」
「みんなで食事をした思い出があって捨てられない」

と、真逆な心情を持っている可能性もあるのです。そのための話し合いは、その人生自体と向き合うことになるでしょう。そんな重たいテーマを平穏に進めるためには相手の意見や感情を否定しないことが必要です。なにせ親のモノのハナシなんですから。主人公は親御さんなんですよ。

もうひとつ、ゆっくりハナシをする。えーと、あの、言葉自体をゆっくり話すだけじゃなくてですね、むしろ相手の気持ちのペースに合わせるということです。親御さんの方が年を取っているわけで、思い出の数だけハナシは長くなるモンです。その長いハナシに付き合ってあげるという苦行…、あ、その、行為が必要なんですね。そのハナシが終わってこそ、彼らの気持ちも終わることができるからです。いや~、なかなかできないんですけどね(苦笑)。

片付けのキホンは、人生との対話。相手が親なら、親の人生と向き合いましょう。

image by: Shutterstock

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