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武田邦彦教授も「野蛮」と指摘した、小池百合子知事の「差別発言」

先日行われた東京都知事選は近年にない盛り上がりを見せましたが、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者である中部大学の武田教授は、この都知事選で多くのことを学んだと言います。まず「小選挙区制が間違っている」ということ、そして政党が単なる「仲良しグループ」に成り下がっているという事実、さらには小池都知事の「差別発言」にまでバッサリと斬り込んでいます。

無所属当選、政党の井戸端状態、差別発言…今回の都知事選で学んだ事

都知事選が終わり小池さんが290万票をとって圧勝しましたが、わたしたちはこの都知事選挙で何が前進し、何を学んだのでしょうか?

まず第一に「小選挙区制という選挙方式が間違っているということが証明されたと思います。都知事選挙では、自民党推薦の増田候補、野党四党の共同推薦候補として鳥越候補が出馬しましたが、どの政党からも推薦を受けなかった小池さんが100万票も離して当選しました。

もし、衆議院議員選挙が「全県一区」ぐらいの大選挙区でしたら、政党の候補者とは別に「国民の代表」になりたい人が候補者になり、その人が当選する可能性が高いこと、つまり国民は政党の推薦者に投票したくないことがあるのだということになったのです。

もともと日本国憲法では「国民は議員を選ぶ」ということになっていて、「ある特定の人に国政を託す」のであって、「政党」などという言葉は出てきません。ところが、現実に政党が力を持ってくると、政党が人を決めその人しか実質的に投票できないという小選挙区制、さらには比例代表制という政党しか投票できないシステムもできて、憲法に違反しても誰も文句を言えないのが現状です。

第二に、小池さんの就任の記者会見はなかなか内容もあり立派なものでした。

私は小池さんの政治思想と違うのですが、選挙で選ばれた人であり、論理が通った演説をしたので、民主主義のルールに従って支持しようと思っています。

しかし、小池さんがなぜ自民党の推薦を受けられなかったのか、石原東京都連のトップや森元首相との確執が取りざたされていましたが、政策的なグループ分けではなく、なにか「仲間」とか「ケンカ」という用語が飛び交っていました。

政党にグループができるのは仕方がないにしても、それはあくまで「日本国をどうする」という点で意見の相違があり、それに基づいてグループができなければならず、人間的な接触度合いとか井戸端会議のグループ化のようなことだけしかないのです。つまり、小池さんは国政に対してある考えがあり、それが森さんのグループと異なるという事ではないのです。

そんなことでは国民は困ります。この「井戸端状態」を作ったのが自民党そのものなのか、それともマスコミなのかはまだ良く研究しないと分かりませんが、国民を馬鹿にするのもいい加減にして欲しいと思います。

第三に、記者会見場で小池新都知事が記者を指名するときに「そこのクールビズではない人」と、差別発言をされたことです。小池さんが環境大臣時代にクールビズというのを始めたことは知られていますが、人の服装を制限するというのはかなり野蛮なことで、服装はその人の個性というのが先進国の一致した概念です。

「環境を守るためにネクタイを外す」というクールビズというのはそれほど先進的なのでしょうか? 任意の団体が環境運動の一環として服装についてある指針を示すことはあり得ますが、国家規模で特定の服装を良しと決めて、官庁や大会社がそろって国家の勧める服装をするというのは共産主義絶対王政を思い起こすことで、決して多様性を認め、国民がそれぞれの人生を選択できる近代国家が考えることではありません

しかも、節電するとか温暖化を防ぐというのは学問的にも奇妙な話で、世界で節電を勧めている国は数カ国にしか過ぎません。同じ行動をするのに少ないエネルギーで済ませるという「省エネルギー」は良いかも知れませんが、社会や個人の行動を支配するエネルギーを節約することは行動を制限することであり望ましいことではないからです。(続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

image by: 小池百合子公式HP

 

武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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