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無名時代の三谷幸喜が関わっていた、ビートたけしの戦国時代劇

元TBSディレクターにして、現在はロスで起業し、「Wowmax Media! 」を経営する海部正樹さんによるメルマガ、『ロサンゼルスで起業してしまったボクの本気メルマガ!』。今回は、話題の人気大河ドラマ「真田丸」の脚本家・三谷幸喜さんとの懐かしいエピソードです。当時TBSのADだったという海部さんと、無名の構成作家だったという三谷さんとの意外な関係とは? そして当時、ビートたけしさんや「たのきんトリオ」が出演した戦国時代劇に、無名時代の三谷さんが関わっていたとのことですが……。

あの大劇作家に嫌われてしまったお話

海部正樹です。

衛星放送の有料チャンネルで「真田丸」を観ていて思い出したことを書きます。 わたしがTBSのAD(アシスタントディレクター)時代に担当していた笑ってポンというバラエティ番組がありました。 前番組「突撃HOTスタジオ」(ちなみにホットではなくハットスタジオと読みます。 笑)が7回で打ち切りになったことを受けて、同じスタッフと出演者で大急ぎで開発されたものでした。

なかなかの豪華キャストでビートたけしさん、たのきん(田原俊彦さん、近藤真彦さん、野村義男さん)、松本伊代さん。

ちなみに「笑ってポン」という番組タイトルに決まった経緯なんですが、エキストラ出演者専門のプロダクションのマネージャーの口癖なんです。 この男性マネージャーは仕事熱心で、収録の合間に自分のところで手配したエキストラさんに丁寧に芝居をつけていました。 なかなか仕切りが良いひとで、エキストラさんだけのリハーサルを頻繁にやってました。 このときのスタートの掛け声が「よおい!ぽん!」。 これをチーフディレクターが気に入り、仮タイトルは「よーい!ぽん!」でした。 ところが編成でダメをくらい(そりゃそうだ)、「笑ってポン」になったという訳です。 まあ、どっちでもしょうもなさは同じようなものです。

企画内容は前番組「突撃HOTスタジオ」のコーナー企画だった「たけしのテレビ番組ガイド」をまるまる番組に拡大したもの。 たけしさんがアナウンサー役で、架空のテレビ番組を紹介するという趣向です。 それがショートコントになっていて例えば「ミニドラマ 家族の夕食」というのは、お茶の間のミニチュアセットの中で、普通のホームドラマをやるという趣向。 窮屈そうにままごとのようなセットでご飯を食べるシーンでした。 「暴れん坊奉行」は近藤真彦扮する江戸町奉行が、ただひたすら暴れて大きな奉行所セットを壊して行くといういうもの。

さて、この架空番組の中に「たのきん太閤記」(だったかな?)というのがありました。 田原俊彦が織田信長、近藤真彦が藤吉郎(後の豊臣秀吉)、野村義男が松平竹千代(後の徳川家康)です。 柴田勝家が小松正夫さん、今川義元が故田村高廣さん(田村正和さんのお兄さんですね)。 暗殺を狙う風魔小太郎にビートたけしさん、その配下で爺や役が片岡鶴太郎さん。 なかなかの配置ですね。 バラエティ番組のコーナー企画ながらセットや衣装も本格的にして、目玉コーナー企画でした。

脚本は劇作家で舞台演出も手掛けられていた水谷竜二さん。 この時、水谷さんが一緒に連れてこられたのが、当時まだ下積み無名の構成作家三谷幸喜さんです。 最初は水谷さんの弟子だと思ったくらい。 実際はどうだったのかな?水谷さんの原稿は、いつも三谷さんが届けて来られました。ということはですね。 「真田丸の遥か前に三谷幸喜さんが関わった戦国時代劇があったということです。

後にコーナー企画も書いていましたが、結構原稿が遅く、本番当日にファックスで届いたことも。 私はADだったのでがんがん督促する側でした。 そのせいか、顔を覚えられてしまいました。 私がWOWOWにいたころ、もう偉くなった三谷さんとばったりエレベーターで遭遇したことがあります。 そのとき三谷さんは「あっ。 この人覚えてる。 僕が一番会いたくない人!」。いつか名誉回復したいと思っていますが以来、残念ながらお目にかかる機会がないまま今日に至っております。

 

 

ロサンゼルスで起業してしまったボクの本気メルマガ!』より一部抜粋

著者/海部正樹(米国法人WOWMAX MEDIA LLC代表 / プロデューサー)
政治家の二世なのですが、テレビディレクターやアニメプロデューサーになりました。親は嘆いたでしょう。しかも42歳で渡米、その後ロスで起業と来た日には、人生どう転がるかわかったものではありません。そんな私が異国で今日も体験している「海外の起業」と「海外での継業」を中心にいろいろ書かせて頂きます。それと「米国ローカルの時事ネタ」や「10年暮らしてわかる生活ネタ」もご紹介します。
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