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「豚汁」の読み、とんじる、ぶたじる、どっちかで出身地がわかる

普段何気なく読み書きしている「漢字」ですが、他人の「読み方」に違和感を覚えたこと、ありませんか? 今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、「馬主」や「豚汁」など、いくつかの読み方のある言葉を取り上げ「正しい読み方」を考えながら、奥が深い漢字の世界にみなさんを誘います。

重箱の隅をつついてみよう

ちょっと漢字テストをしてみましょう。この漢字はなんと読むでしょう?

多くの人は「ばぬし」と読んだと思います。世間一般には「ばぬし」という読み方が定着しているようです。ところが「馬」の読み方は、

となっていて、「ばぬし」と読むのは

となります。普通、二字熟語の読み方は、「音+音」「訓+訓」と、同じ系統の読み方をします。このように「音読み+訓読み」になるのを

を代表例にして「重箱読み」と呼びます。他には

などがあります。逆に「訓読み+音読み」になるパターンを

を代表例にして「湯桶読み」と呼びます。

などがその例です。

ここに挙げた例を見て、「『豚汁』は『ぶたじる』だろ!」とおっしゃる方もいるかもしれません。実は「豚汁」は、大方は「トンじる」と重箱読みをする地域が多いのですが、東北・北陸や近畿・中国地方の一部エリアでは「ぶたじる」と言います(私も「ぶたじる」派です)。国語辞典でも扱いはいろいろですが、「訓+訓」の読み方からいえば「ぶたじるが正しいような気がします(私が「ぶたじる」派だから)。

同じように考えると

がしっくりきます。

ちなみに、日本中央競馬会などではうまぬしと呼びます。「馬主」さんたちの集まり「馬主協会」が各地にありますが、「うまぬしきょうかい」と読みます。一つは「という濁りのある音の響きが語頭にくるのがやや俗っぽい雑なイメージを与えるのを嫌がるというのがあるようです。

など、あまりいい言葉がありません(こういう「語頭の濁音を嫌う」のは日本語の特徴の一つです)。

ということで、どちらが正解という絶対的なものはないのですが、もし「馬主」さんとお話しする機会などがありましたら、「うまぬし」の方を使うのがいいと思います。

image by: Shutterstock

 

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