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「挨拶されたら逃げろ」と教える親から透けて見えた「国の思惑」

神戸新聞に掲載されたある投稿が話題になっています。内容は、「マンションの住民総会でのとある小学生の親御さんの発言から、マンション内での挨拶が禁止となった」というものなのですが…。無料メルマガ『日刊! “信頼の社労士”が思う、「仕事の本質」』の著者・小田一哉さんは、この「騒動」の本質は「国の思惑」にあるのではないかとの私見を記しています。

なぜあいさつをしないように決める?

神戸新聞の投書がツイートに掲載されており、この内容がとても気になったのでメルマガに引用しました。


【理解に苦しんでます】

 

住んでるマンションの管理組合理事をやってるんですが、先日の住民総会で、小学生の親御さんから提案されました。「知らない人にあいさつされたら逃げるように教えているので、マンション内ではあいさつをしないように決めてください」。子どもにはどの人がマンションの人かどうか判断できない。教育上困ります、とも。すると、年配の方から「あいさつをしてもあいさつが返ってこないので気分が悪かった。お互いにやめましょう」と、意見が一致してしまいました。

 

その告知を出すのですが、世の中変わったな、と理解に苦しんでいます。
(神戸・西、自営、男、56)

「あいさつをされたら逃げるように子どもに教えているから、マンション内ではあいさつしないように決めてください」…。

信じ難いことを子どもに教えている親だ! と批難するのは簡単です。我々はもっと踏み込んで、「なぜこの親御さんはこんなことを言うのだろうか?」ということを考える必要があるでしょう。

最近、テレビのニュースや新聞では、子どもが被害に遭う事故や事件を毎日のごとく報じています。「本当にこんなに事件が起きているのか?」と疑問に思うばかりです。

まあ、それはそれとして、これだけ事件などが起きるので、街には防犯カメラが設置されています。「子どもが事件に巻き込まれることを防止する」効果もあろうから、防犯カメラの設置を誰もが認め、それを否定的にとらえる人もいない…。

でも防犯カメラって、監視カメラでもあります。我々の行動が常に監視されるということ、でもその背景に「防犯」があれば、監視されるということに、我々は慣れ、免疫ができます。そんな下地が、新聞やテレビで報じる事件と、防犯カメラで、構築されています。

穿った見方をすると、大きな目的に「監視社会にしたいという国の思惑があり、「他人を見たら疑え」という考えを自然と植えつけ、そういう思惑に、「マンションに住んでいる小学生の親御さん」は乗っかってしまい、「あいさつをされたら逃げるように子どもに教えているから、マンション内ではあいさつしないように決めてください」ということを言ったのでは?

例えば、マンションや住んでいる街であいさつが消えたら、住民の関係はとてもギスギスしたものになるのは明らかです。あいさつが、隣人や他人を知る第一歩ですが、それがなくなれば知ることなどできません。少しでも隣人や他人が、自分にとって「怪しげ」と思われる行為行動を行えば、警戒して、様子を伺います。要するに監視するのです。それを住民同士にさせる、という環境を作りたい…、戦時中と同じ環境をつくろうという、これが国の思惑ではないか?

そんな環境が作られてしまうと、警察に通報される、取り調べられる、そしてその取り調べの中で、国に政府に政権に「異を唱える」人だと特定されれば、その先には…、「逮捕」もある?

引用した神戸新聞の投書のような、何か不自然な主張があった場合、そのこと自体にすぐさま反応するのではなく、その奥にある背景や理由を考えてみる本質を探ってみる、そういう行動を我々はとっていきたいものです。

先日は、私の住んでいる地域の自治会の秋祭りが行われました。私は毎年、会場設営や備品搬送担当として、秋祭りの裏方の仕事をしています。この裏方の仕事には、毎年同じ顔触れが集まり、この秋祭りの時だけのみお会いする方もいたりします。そんな方々とも親しく話ができる、それがある意味「あいさつ」だと思います。しかし、あいさつが消えてしまったら、秋祭りなんて成り立たなくなってしまうかもしれないですね。

image by: Twitter

 

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