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マクドナルドの反省。年末「チキンナゲット」提案で汚名返上なるか?

期限切れ鶏肉使用問題以降、顧客の信用を完全に失った日本マクドナルド。しかし先日掲載の記事「やればできる。死に体の日本マクドナルドを黒字化させた『鬼』改革」でもご紹介したような努力を積み重ねた結果、業績も回復の兆しを見せています。今回の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では、この問題に終止符を打つべくマクドナルドが仕掛けたキャンペーンについて、著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんがその行方を占います。

マックのナゲットキャンペーンは期限切れ鶏肉の使用問題を克服できるのか

佐藤昌司です。日本マクドナルドは12月19日、「チキンマックナゲット クリスマスキャンペーン」を12月23日~25日の3日間限定で開催すると発表しました。チキンマックナゲット30ピースを33%引きの税込750円で販売します。

今回のキャンペーンでは、クリスマスを迎える3日間において、家族や友人とのパーティーでシェアしながらチキンマックナゲットを楽しむことを提案しています。クリスマスシーズンは鶏肉の消費が増える期間でもあるため、鶏肉を材料とするチキンマックナゲットをこの時期に打ち出すことで販売につなげたい考えがあるようです。

お笑い芸人のダンディ坂野氏の「ゲッツ」を思わせる、正体不明の「怪盗ナゲッツ」の「ナゲッツ」ポーズを取り入れたパーティーゲーム「怪盗ナゲッツゲーム」を店内掲示ポスターやテレビCMで紹介するなどしてキャンペーンを盛り上げています。

今回のキャンペーンはマクドナルドの今後を占う試金石となります。というのも、チキンマックナゲットは「鶏肉」を使用している商品だからです。鶏肉といえば、2014年7月に発覚した期限切れの鶏肉を使用した問題を連想することができます。

マクドナルドは14年7月に期限切れの鶏肉を使用したことで信用を失墜させました。同問題などにより、14年12月期の売上高は前年同期比14.6%減の2,223億円にまで落ち込みました。同期の最終損益は218億円の赤字です。尾を引く翌15年12月期の最終損益は349億円の赤字となっています。鶏肉の問題によりマクドナルドの業績は大きく悪化しました。

マクドナルドは鶏肉に対して苦い思い出があります。そのため、今回のキャンペーンは他のキャンペーンとは違った意味合いがあると考えることができます。鶏肉の問題を克服するには鶏肉の問題を避けて通ることはできません。鶏肉の問題から正面に向き合うことが求められていたといえます。

期限切れの鶏肉を使用した問題から2年以上経過しました。マクドナルドの業績は回復傾向を示しています。16年1~9月期の売上高は20.1%増の1,652億円、最終損益は32億円の黒字となっています。世間の記憶も薄れかかっています。そうした状況の中、鶏肉を使用した商品のキャンペーンで終止符を打とうとしています。

このキャンペーンが成功すれば、世間に対して「マクドナルドの鶏肉は安心できる」と明確に示すことができます。成功しないのであれば、「マクドナルドの鶏肉は安心できない」と消費者がまだまだ感じていることを示していることになります。そういう意味でも、今回のキャンペーンをマクドナルドは何としても成功させなければならないといえるでしょう。

果たして、マクドナルドは今回のキャンペーンで消費者の信頼を「ゲッツ」(獲得)できるのでしょうか。チキンマックナゲットの売れ行きが注目されます。

image by: StockStudio / Shutterstock.com

 

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店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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