子供たちの夏休みもあと少しで折り返し地点。宿題や自主学習は順調ですか? 『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』で紹介されている「学力が高いと言われる子どもたちに共通する夏休みの勉強方法」が役に立ちますよ。あわせて解説されている「子どもがあと伸びする夏休みの過ごし方」もユースフルです。
Question
夏休みにできる学力アップ法は?
勉強について行けないわけではないのですが、少しでも学力の底上げをしたいと思っています。
けれども経済的事情から塾へは行けないので、夏休みに出来る効率の良い学力アップ方法を教えてください。 (12歳、11歳のお母様)
家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答
学力が高いと言われる子どもたちに共通する夏休みの勉強方法があるそうです。その3つをお伝えします。参考にしてみて下さい。
- 夏休みを3期間に分けて計画を立てることです。
7月中、8月前半、8月後半です。
そして、問題集を準備します。教科書に付随したものでも新調したものでもOKです。留意点としては、旅行へ行く日は勉強せず、思い切り五感を使った遊びに徹するということです。 - 「時間」ではなく「分量」を目標設定すること。
何時から何時まで勉強する、という時間設定よりも、この単元まで勉強する、という分量を設定すると、具体的で勉強の進み具合も確認できるためやる気が出ます。 - 「戻り学習」「復習」を徹底すること。
夏休み前までに学校で習った部分の復習を徹底しましょう。付随のワークブックを解き直すこと、準備した問題集を解くこと。つまずいた箇所は「戻り学習」で、できるところまでさかのぼります。わからなければ親、先生に聞き、徹底してわかるようにしておきます。終わったらまた初めから解きましょう。わかった! という実感が自信と次への挑戦意欲を育てます。
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家庭教育アドバイス……「あと伸び」する子どもとは?
小学生の子どもの成長は無限大です。精神面も学習面も夏休みが要と言ってもいいかもしれません。
だからこそ、メリハリをつけることが大切。遊ぶ日は遊びに徹し勉強はしないことです。
ドリルや問題集は、正解が決められていますが、「遊び」は、正解が1つではありません。
「遊び」は、自由自在に創り出すことができます。
- 「どうすれば、みんなが楽しいと思うか?」
- 「次は、こういうルールにしたらどうか?」
- 「どうすれば、相手も喜んでくれるか?」
こうした発想を膨らませながら遊ぶことが、「柔軟に仕組みを変える力」「工夫する力」を伸ばしていくことができるのです。
自然の中で、五感を使って「遊び尽くした体験」は、人間力と学力のどちらにとっても必要な「意欲」を育む源になります。
子どもにはぜひ、「主体的に野外で遊ぶ機会」をたくさん与え、遊び尽くすまで遊ばせてあげてほしいと思います。
社会の中で突き当たる問題は、答えがひとつとはかぎりません。子どもの頃に「遊び」で培った柔軟な思考力こそが、大人になってから役立つのです。
「五感を使って遊び尽くした総量」が多い人ほど、あと伸びします。
あと何回、夏休みがありますか? 五感を使って思う存分遊び倒しましょう。
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『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』
家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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