お弁当に入っていると嬉しい! お酒のツマミにも最高! の「鶏の照り焼き」。ですが、意外と美味しそうな照りを出すのに悪戦苦闘した経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では著者で現役板前のgatugatu佐藤さんが、「おいしそうな照りを出すコツ」を伝授しています。
うまそうな照りが出る! 鶏もも肉のくわ焼き
gatugatu佐藤です。今回は、うまそうな「照り」をだす照り焼きのコツを暴露します。
フライパンでぶりの照り焼き、鶏肉の照り焼き……食材の表面に付いた濃口しょう油の色に光が当たり、艶というか「てかり」が出るとほんとおいしそうにみえます。食べる前から、おいしいと思ってしまうくらいの「照り」……が、なぜかこの照りが上手くだせない、おいしそうに見えない、実際、おいしくない……こんなことがあるかもしれません。
しかし、あるコツさえ覚えてしまえば、これから先、あなたは魚や肉の「照り焼き」が必ず上手く作れるようになります。特にフライパンを使って作る、照り焼き料理に有効。
そのコツとは……「油をしっかり洗い流す!」です。魚、肉など焼くとき使う「油」。焼いている時にも食材から「脂」がでてきますが、これが残っていると食材の表面に油がコーティングされたまま。タレが弾かれ上手く絡んでくれません。油のせいでタレも分離します。食べた時も油が口の中でギトギト。おいしくないわけです。そこで、この油を材料に熱湯をぶっかけてすすいで綺麗に流してしまうんです。焼いてすぐの食材にタレを絡めるのではなく、「熱湯ですすぐ」という作業をワンクッションいれる。これだけで、タレが上手くからんでできあがりがきれいでおいしくなります。冷たい水を入れてすすぐと油が冷めて固まるので、熱湯をかけ熱で溶かしながらすすぐというわけです。
今回のおすすすめの料理は、「鶏もも肉のくわ焼き」。簡単にいうと「鶏の照り焼き」ですが……「くわ焼き」とは? 昔、農民が畑を耕す時に使う鍬(くわ)を熱して鉄板の代わりにして食材を焼いて食ったと言われている料理のことです。和食で「くわ焼き」と言えば鴨肉。鴨肉でこの料理を作ります。で、実際私が修行したお店では一品料理として出していました。この時に伝授されたのが、「熱湯ですすぐ」という方法。はじめの頃はコツがわからず熱湯でしっかりとすすぎができてなくて照りが上手く出せませんでした。が、何度か作っているうちにおいしそうな照りが出せるようになりました。修行時代は、おそらく100回以上は作ったと思います。
ちなみに……鴨肉にスジ切りをするのですが、切ったその形が「鍬」の形に似ているので「くわ焼き」という言われるようになったという説もあります。
「鶏もも肉のくわ焼き」のレシピで照り焼きのコツを詳しく説明していきます!
レシピ
【材料】
鶏もも肉……1枚(250g)
片栗粉……適量
粉山椒……少々
サラダ油……15cc
付け合せ用
サラダ……適量
【くわ焼きタレ】
清酒……45cc(大さじ3)
濃口しょう油……15cc(大さじ1)
砂糖……15g
1.鶏もも肉は、繊維にそって2等分に切ります。
皮を下にして切ると切りやすいです。
2.包丁を右斜め(45度くらい)に傾け、1/2を4等分にそぎ切りにします(全部で8等分)。
平たく広く(大きく)切るイメージです。
3.スジ切りをするように、片側に4~5箇所切込みます。
この形が「鍬(くわ)」のように見える。
4.切った鶏肉に片栗粉をまぶします。
余分な粉は、はたき落とします。
5.【くわ焼きタレ】の調味料を合わせます。
6.大きめのフライパンにサラダ油を入れ強火で熱します。
サラダ油を全体に広げてフライパンが熱くなったら、(4.)を入れます。鶏肉どうしが付かないように間を空けて皮を下にして入れます。粉を付けてるので分かりにくいですが、赤い身が見えないほうが皮です。皮から焼いていきます。
7.強火のまま焼いてキツネ色になったら裏返します。
反対側も同じように焼きます。
8.両面焼けたら熱湯をぶっかけ、すすいで湯を捨てます。
これを2~3回繰り返して鶏肉に付いた油をしっかり落とします。
9.菜箸で鶏肉押さえて、水を捨てしっかりと水気を切ります。
10.フライパンを再度強火にかけ【くわ焼きタレ】を入れます。
11.強火のまま、鶏肉を裏返しタレをからめながら、ドロッとなるまで煮詰めます。
12.付け合せサラダを盛った平らな器に(11.)を盛ります。
フライパンに残っているタレも全部鶏肉にかけ、粉山椒をぶっかけたら完成です!
熱湯ですすいで「油」をしっかり落とす! あなたも一度は食ったことがある魚や肉の照り焼き料理。今回のコツをマスターすれば、てかりのあるおいしそうな照りが出せて実際おいしい照り焼きが作れます。
これ、やるだけできれいでおいしそうな照りが出る「照り焼き料理」ができます! 是非! 「鶏もも肉のくわ焼き」を作って実感してみてください!