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ながらスマホや信号無視は論外。自転車「青切符制度」導入で摘発される“113種類の違反”と気になる反則金額

あらゆるメディアでしきりに報道されている、16歳以上の自転車運転者に対する「青切符」制度の導入。これまで曖昧だった軽度違反の扱いが一変し、多くの利用者にとって無視できないルールとなりました。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、違反対象となる主な行為や反則金等々、その全貌を解説。さらに警察官から「口頭注意」を受けた際の対処法や、切符を切られた運転者が速やかに取るべき行動を紹介しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:今日からチャリも青切符

油断は禁物、口答えは厳禁?新年度からチャリも青切符

2026年4月1日、つまり今日から、16歳以上の自転車の運転者にも、自動車やオートバイのように交通違反による青切符が適用されます。これは「エイプリルフールの嘘」ではなく、本当のことです。

まず「青切符とは何か?」ということですが、交通違反に適用される「赤切符と青切符」とは、サッカーにおける「レッドカードとイエローカード」みたいなものです。重度の違反をした場合は赤切符を切られてサッカーにおける「一発退場」のような厳しい処分となりますが、軽度の違反は青切符を切られて反則金を納めるだけで済むのです。

時系列で解説しますが、もともと自転車は道路交通法の「軽車両」に分類されているのにも関わらず、自動車やオートバイなどのように運転免許証が必要な乗り物ではないため、交通違反をした場合の処罰が曖昧でした。しかし、ここ10~20年、自転車による重大事故が増えて来たため、2023年から自転車に対する道路交通法が厳罰化され、2024年11月からは「飲酒運転」より軽い「酒気帯び運転」も厳罰化されました。

まっすぐに走れないほど酔っていたら、それまでも摘発されることはありましたが、ビールを1本飲んだ程度のほろ酔いで自転車を運転していても、ちゃんと走れていたら摘発されることはほとんどありませんでした。しかし、2024年11月からは、自動車やオートバイにおける「酒気帯び運転」に当たる「ほろ酔い」の状態でも、自転車を運転したら厳しく罰せられることになったのです。

自転車も自動車やオートバイと同じで、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25ミリグラム以上の場合「飲酒運転」となり、罰則は5年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金となります。そして、それまではたいてい見逃してくれていたアルコール濃度が0.25ミリグラム以下の「酒気帯び運転」も、3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金となったのです。

これらは刑事事件なので、自転車の運転中に警察官に止められて呼気を計測されてアルコールが検出されたら、その場で現行犯逮捕され、警察署に連行されて留置所に入れられ、書類送検されて裁判という、非常に厄介なことになるのです。その上、初犯でも罰金は平均10~30万円と高額ですし、二度目、三度目などで悪質と判断された場合には実刑となって刑務所行きとなるのです。

あたしのように、ふだん自動車やオートバイなどを利用している人の大半は、お酒を飲んだら絶対に運転などしません。でも、自宅で飲んでいて、ちょっとお酒が足りなくなった、ちょっとオツマミが欲しくなったという時、近くのコンビニまで自転車で行ってしまうことってあるのではないでしょうか。

毎朝、自宅から駅まで自転車で行き、月極で契約している駅前の駐輪場に自転車を停め、そこから電車に乗って会社へ行く。そして、会社が終われば同僚と居酒屋へ行き、ほろ酔い気分で地元の駅まで帰って来て、自転車に乗って自宅へ帰る。こんな生活をして来た多くの人たちは、2024年11月から、これができなくなったのです。

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何をやらかせば青切符を切られ反則金をいくら課されるか

さらに言えば、警察官による呼気検査を拒否しても処罰の対象、自転車で来ていることを知った上でお酒を提供したお店も処罰の対象、お酒を飲んだ人に自転車を貸した人も処罰の対象になったのです。その上、これはあたしもサスガに納得できないのですが、自動車やオートバイなどの免許証を持っている人は、こちらも停止処分となるケースもあるのです。

一例を挙げると、自転車の「酒気帯び運転」が厳罰化された直後の2024年11月2日の夜11時過ぎ、長野県内で自転車を運転していた31歳の男性会社員が警察官の職務質問を受け、呼気検査でアルコールが検出されたために現行犯逮捕されました。男性は自宅で350mlの缶ビール1本と焼酎2杯を飲んだあと、近くのコンビニへ食べ物を買いに行くところでした。初犯のため罰金は10万円で済みましたが、驚いたことに自動車の運転免許が30日間の停止処分となったのです。

その理由はと言うと「自転車で酒気帯び運転をするような者は、自動車でも同様のことをする恐れがある」というもの。あたしはこのニュースを知り、思わず「はぁ?」と言ってしまいました。しかし、実際にはもっと厳しく、広島県では同じく自転車の「酒気帯び運転」で逮捕された50代の男性会社員が、自動車の運転免許を6カ月も停止されるという行政処分を受けた例もあるのです。

でも、あたしはこれ、おかしいと思うのです。だって、もともと運転免許を持ってない人には適用されないわけでしょ?自転車の「酒気帯び運転」という同じ違反をしたのに、自動車やオートバイの免許を持ってる人だけが免許停止というプラスアルファの処分が上乗せされ、免許を持ってない人は何もなしって、あまりにも差がありすぎます。

もしも自動車の運転免許を6カ月も停止された人がトラックやタクシーなどのドライバーだったら、この人は半年も仕事ができなくなり、場合によってはこれが原因で仕事をクビになってしまうかもしれないのに、免許を持ってない人は何もなしって、これ、どう見ても「すべての国民の法のもとの平等」を謳った日本国憲法第14条に抵触してるじゃん!

ま、それはそれとして、話を元の車線にチャチャッと戻しますが、厳罰化されたのは「酒気帯び運転」だけでなく、自転車を運転して故意に他の車両などの走行を妨害する「妨害運転(あおり運転)」も赤切符、3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金となりました。しかし、それでも自転車による重大事故はなかなか減少せず、その結果、今回の「青切符の導入」へと進んだようです。つまり、これまでは見逃していた軽度の違反も、今日からは厳しく取り締まって行くというわけです。

…そんなわけで、今日からスタートした自転車の「青切符」ですが、どんな流れなのかというと、自転車の運転中に何らかの交通違反をしてしまい、それを警察官に見られて現行犯で摘発されてしまうと、その場で通称「青切符」と呼ばれる水色の反則金納付書を切られてしまうわけです。でも、期限までに郵便局から反則金を納付すれば、それですべてチャンチャン。刑事手続きは回避できるし前科もつきません。そんな制度が今日からスタートしたわけですが、以下が主な違反とその反則金です。

「携帯電話使用等(ながらスマホ)」12,000円
「信号無視」6000円
「通行区分違反(逆走や歩道通行など)」6,000円
「一時不停止」5,000円
「無灯火運転」5,000円
「傘差し運転・イヤホン使用運転」5,000円
「歩行者妨害(横断歩道など)」5,000円
「合図不履行」5,000円
「遮断踏切立入り」7,000円
「速度超過」6,000円~12,000円
「並進(二人並び走行)」3,000円
「二人乗り(幼児座席除く)」3,000円

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警察官から口頭注意を受けた際にやってはいけない行為

特に気をつけなきゃならないのは「一時不停止」ですね。自転車の場合、道路上の停止線や「止まれ」の標識など完全に無視して走っている人を日常的に見かけますが、今日からはすべてちゃんと止まらないと違反になってしまいます。あとは「通行区分違反」と「歩行者妨害」ですね。当たり前のように歩道を走って来る自転車、当たり前のように歩行者用の横断歩道を渡って来る自転車を良く見かけますが、今日からはどちらも摘発の対象です。

自転車から降りて押して歩いていれば「歩行者」ですが、自転車に乗っていたら「軽車両」なので、走って良いのは「歩道」ではなく「車道」、信号も車道の信号に従わなければなりません。自転車が走って良いのは「車道の左端」であって、歩行者専用の「歩道」を走るのは違反です。他にも、原チャリに「二段階右折」が義務づけられた信号のあるT字路などでは、自転車も「二段階右折」をしないと違反になります。

それから「傘差し運転・イヤホン使用運転」もたくさん摘発されそうですね。ただし「傘差し運転」は、傘を差して片手運転することが違反なので、ハンドルのとこに傘を固定する器具をつけて傘を差し、両手でハンドルを持って運転してる人は違反になりません。

そして、何よりも面倒なのが「合図不履行」です。普通の自転車にはウインカーなどついていないので、これまで自転車は自由に右折や左折をしていましたが、今日からは曲がる前に手を挙げて右左折のハンドサインを出さなきゃならないのです。これを怠って右左折した場合は、自動車やオートバイなどでウインカーを点滅せずに右左折した時と同じく「合図不履行」という違反になり、摘発されれば5,000円の反則金が科せられるのです。

おいおいおいおいおーーい!…と思うかもしれませんが、あたしがさっき挙げた12の違反は、あくまでも摘発される人が多そうな代表的なものであって、今日から導入された青切符の対象になる交通違反は、ぜんぶで「113種類」もあるのです。そして、その中には、この「合図不履行」のように、誰かに教えてもらわなかったら知らないままの違反が山ほどあるのです。

でも、ここまで読んで来てウンザリした自転車利用者の皆さん、最後に1つだけ良い情報もお知らせしておきます。取り締まりが厳しくなるのは、警察が「危険行為」と見なしている「携帯電話使用等」「信号無視」「一時不停止」「通行区分違反」など悪質な違反だけで、危険性の低い違反は基本的に「指導警告」、つまり、口頭で注意されるだけだそうです。

だから、警察官に止められて口頭で注意された場合は、とにかく「ごめんなさい!これから気をつけます!」と素直に謝れば、危険性の低い違反であれば青切符は切られません。だけど、ここで警察官に歯向かって「うっせー!うっせー!うっせーぞ!」なんて言ってしまうと「悪質」と見なされて痛い目に遭うことになります。

それから、もしも自転車で青切符を切られてしまった場合は、警察官と口論などせずに大人しく受け取り、速やかに反則金を振り込むのが最善策です。期限までに反則金を振り込めば、そこですべてが終わり、前科も付かないからです。しかし、期限までに反則金を振り込まないと刑事手続きに移行して、交通裁判所から呼び出しが来るなど、非常に面倒なことになってしまう上、前科も付いてむしまうのです。

…そんなわけで、こうした法改正があった場合、施行された日からしばらくは全国で重点的な摘発が実施されますので、日常的に自転車を利用している人は、まずは警察のHPなどで詳しい法改正の内容を確認した上で、少なくとも4月いっぱいは必要以上に気をつけて運転したほうが良いと思います。2024年11月1日から自転車の「酒気帯び運転」が厳罰化された時も、最初の1カ月は全国でものすごい数の人が摘発されていましたから。

 
(『きっこのメルマガ』2026年4月1日号より一部抜粋・文中敬称略)
 
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