イランとアメリカ・イスラエルの戦闘が続く中、見過ごされている重大なニュースがあります。イラン革命防衛隊が、ドバイとバーレーンにあるアマゾンのデータセンター合計3カ所を破壊したのです。なぜ小売企業が軍事攻撃の標的になったのか——その背景には、AIを活用した戦争の自動化という現代戦の暗部が潜んでいました。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、クラウドインフラと戦争の知られざる関係を解き明かしています。
イランが攻撃に成功した意外な標的:アマゾンやグーグルのデータセンター
ぶっちゃけ、現代の戦争は情報が左右します。
大量のミサイルが飛び交っているようにも見えますが、それらの兵器を遠くからコントロールしているのが情報通信技術です。
今も激しい戦闘が継続しているイランですが、見過ごされたニュースがあります。
何かと言えば、イラン革命防衛隊がドバイとバーレーンにあるアマゾンのデータセンターを合計3カ所破壊したのです。
なぜアマゾンが狙われたのか?
なぜ世界最大のオンライン小売業者アマゾンが狙われたのでしょうか?
アマゾンは子会社のアマゾン・ウェブサービスを立ち上げ稼ぎ頭にしています。 これによりアマゾンは商用クラウド・インフラストラクチャの最大手プロバイダーの1つとなりました。 同社以外の主要プレーヤーはマイクロソフト・アジュールとグーグル・クラウドです。
クラウドは、非常に高速なコンピューティング能力を提供する膨大なストレージ容量を持つデータセンターに他なりません。 しかも、誰でもそこで希望する容量をレンタルできる仕組みが売り物です。 クラウドは複雑な金融取引を最速のスピードで処理でき、瞬時に大規模なプロジェクトを設計することも可能です。 しかし、前例のないスピードと高解像度で国民を監視し、スパイすることもできます。 要は、取得したデータを使用し、社会の発展を思うように操作できるわけです。
現在、クラウド市場を独占しているのは上記のアメリカの大手IT企業です。 そしてそれこそが、イランがアマゾンのデータセンターに狙いを定めた理由と思われます。
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AIが女子小学校を標的にした悲劇
実は、中東にはデータセンターが集中しており、これらのデータセンターはアメリカとイスラエルの戦争に利用されてきました。 データセンターは、人工知能を活用し、戦争を自動化するためのインフラを提供しているのです。 具体的には、自律型マシーンが戦争の標的となる施設や犠牲者を見つけ出し、魂のないアルゴリズムに基づいて攻撃し破壊します。
テヘランの小学校が激しい爆撃を受け、多くの女子児童や教師が殺害されたのもそのためでした。 というのは、この学校の所在地は「警察公園」と呼ばれていたからです。 警察という名で登録されていましたが、かつて警察署があったというだけで、今では警察官も武装した兵士もおらず、女子児童が多く通う小学校でした。 クラウドは、その紛らわしい名前に騙されて無差別攻撃を実行する指示を出したのです。
ぶっちゃけ、イランからすれば、許し難い非人道的な行為をもたらした「血も涙もない」クラウドへの怒りをぶちまけたものと思われます。
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