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いじめ自殺の生徒を「転校した」と説明。担任教師の軽すぎる処分

満開の桜の下、笑顔で登校する子どもたちがいる一方で、いじめが原因で学校に通えないでいる子どもたちもいます。このような不登校児を救うべく成立したのが「教育機会確保法」ですが、無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』の著者で「いじめから子供を守ろうネットワーク」の代表・井澤一明さんは、「不登校児を救い、公立校をより良いものにするためにも、これを機に教育の自由化を認めるべき」と強く求めています。

教育は自由であるべきだ

4月、桜が満開です。入学式、始業式が始まり、希望にあふれる新年度がはじまりました。

しかし残念ですが、学校に通えない子たちも数多くいます。この子達の支援を目的にした法律、「教育機会確保法」が昨年末に成立し、2月から施行されています。この法律は、「不登校の子の支援」を目的に議員立法によって制定されました。主な内容としては、

などが盛り込まれています。この法律は「理念法」であり、具体的な中身はこれからです。

当初、自宅学習や、フリースクールなど学校外での学習を「義務教育として認める」という制度も検討されていたことが話題になりました。しかし、「学校に行かないことを安易に認めるべきではない」、「学校教育の根本を揺るがす」、「不登校を助長する」等々の反対意見が相次いだために、「学校外の学習で義務教育と認めるという案は削除されたと報道されています。

とはいえ、現実には、法律が制定される以前から、学校が認めればフリースクールは出席扱い」になり、「卒業できます。従って、この法律の制定によって「フリースクール」の実際上の「義務教育認定」がより進むことが予測されます。

そうであるならば、渡部昇一先生が提言していたように「塾を学校と認めても良いのではないかと思います。そうなれば、学校と塾の競争がより鮮明になり、公立学校もいじめ問題に対処せざるを得ない状況になるでしょう。

「いじめを止めない」、「いじめを放ったらかし」にする学校より「塾」に通わせたほうが、学力もつく、「不登校」にもならないし、安心もできる、となれば塾がさらに人気を集めることになります。子供たちも「ダブルスクール」に通う必要もなくなり、「塾」に一本化できます。

「塾」が学校よりも優位な立場になりそうですが、ここまでくれば公立の学校、つまり文科省もほっておけなくなるはずです。「教育の自由化」が進み、それぞれの子に適した学校に進めるようになることは、日本の未来のためにも有効ではないかと思います。

日本の教師は守られ過ぎています。3月28日、岩手県の矢巾町のいじめ自殺事件に関係した教職員の懲戒処分が公表されました。校長を減給10分の11カ月)、担任副校長1年時の校長を戒告です。いじめに関する県教委の懲戒処分は初とのことです。

しかし、軽い。軽すぎるとしか思えません。

あれだけ本人の訴えを無視して自殺にいたったのにもかかわらず、教師は注意されただけです。さらに、県教委自身については「処分なし」です。県教委にも責任はあるはずです。また、自殺を転校したと虚偽の告知をした仙台市泉区のいじめ自殺事件でも、校長に戒告、担任を訓告、教頭を口頭厳重注意です。

身内に甘くなるのは代わりがないからだとも言えます。せっかく「教育機会確保法」ができたのですから、「教育の自由」、「学校を選ぶ自由を認めるべきです。

「良い学校」には生徒も集まります。「悪い学校は淘汰されるべきです。それが子供たちのためなのです。

本来、学校が休みの時には相談が減るのは例年のことなのですが、今年は春休み中にもかかわらず様々な相談が相次いでいます。気にかかることがありましたら、ご遠慮無くご相談ください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いじめから子供を守ろう!ネットワーク 【発行周期】 週刊

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