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日本人の美徳「節約」が、景気低迷の原因になっているパラドックス

大好評の中部大学教授・武田邦彦先生による「自分の決意で給料を2倍にする方法」シリーズ。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』では、「給料を上げるには我々が消費することが大前提」であるにもかかわらず、日本がその方向に進めない2つの理由を記しています。

大前提として、我々が消費しなければ給料は上がらない

日本人が「ドンドン使って、楽しい生活をしよう!」と思わないと、景気も良くならず給料も2倍になりません。不思議な事に、「給料が2倍になった方が良いの?」と聞くと、「当たり前じゃない」との返事が返ってきます。特に女性ではそうです。

ところが、「ドンドン買って、ドンドン捨ててください」というと、環境がどうのもったいないと言うのもまた女性なのです。

自分が給料をもらうということは、そのお金がどこから出てきたかを考える必要があります。会社の場合、会社の売り上げからですから売り上げが上がらなければお金は増えません。売り上げが上がるというのは普通の場合、製品が売れるということで、製品が売れるためには、多くの人がドンドン買うという事です。

ところが、多くの女性の場合、「自分は買わなくても人が買うだろう」と思っていますが、女性は全人口の2分の1はいますし、消費は女性がすることが多いので、女性に節約意識があると製品が売れず、景気は低迷します。女性を差別的に見るのでは無いのですが、「自分と社会」の一体感という意味では男性より女性の方が普通は断裂があり、自分=社会と思っていない人が多いのも事実です。

この女性の特性と、男性でも余り積極的では無い人や文学的な事に興味を持っている男性の場合は、どうしても「自分が消費しなければ給料は上がらない」ということが理解できない人が多いようです。

また、1990年のバブル崩壊から、「資源が無くなる」、「ゴミがあふれる」、「猛毒ダイオキシンで健康を害する」、「地球が温暖化する」などと、ありもしないことが政府やNHKなどから繰り返し流されました。これらの虚偽報道は、徐々にその姿を変えたり、報道が少なくなってきてはいますが、すでに洗脳された人は、「やがて石油はなくなる」などと思っている場合が多いのです。

たとえば、リサイクルしている量は2~3%にしか過ぎませんが、今でも分別している人がおられますし、間違った報道をしたNHKも訂正報道をしません。もともと環境運動の多くが「環境を守る」という目的では無く、「環境を守ると言ってもお金を儲ける」というのがその原動力ですから、ひとたび分別などの方法が確立すると、その間違いを言ったりはせず、ひそかにお金をもらい続けるというのが現状です。

かくして世界で日本だけですがリサイクルしたり節電したりすることになりました。たとえば、有名な温暖化の国際会議の京都会議は1997年のことですが、このとき、日本と中国の二酸化炭素の排出量は11億トンと30億トンでした。その後、16年経った2013年には日本が11億トン、中国が90億トンになりました。二酸化炭素の発生量はほとんど一次エネルギーの消費量に当たり、それはほぼ国民の消費量に相当します。つまり、1997年から2013年まで日本人の給料は同じだった(11億トン相当)のに、中国人は3倍(30億トンから90億トン)になったことを意味しています。

消費を増やせばエネルギーを使いますから、二酸化炭素が増える…こんなことは余りにも当たり前ですが、日本の政治家は選挙に当選すること、そのためにはテレビが言っていることをそのままやることと言う状態だったので、日本は衰退しました。多くの人が中国の悪口を言っていますが、中国の政治家の方が日本よりズッと国民のことを考えていたことが分かります。

政府から見放されると生きていけない世の中が、今の日本を作り出した

分別しているのも日本だけ、リサイクルしているのも日本だけ、温暖化対策をしているのも日本だけという異常な状態は、日本の特殊な政府とNHKの影響であると言えます。世界で最も豊かで借金が無いにもかかわらず、ものすごい借金があると洗脳されているのと同じです。

科学的に言えば、石油などの資源は1万年ぐらいは心配がありませんし、地球は現在3回目の氷河時代のまっただ中で、気温は地球上に多細胞生物が出現してから最も寒いのが現実です。ところが、科学研究の分野でも日本は「空気ができるとそれ以外のことは言えない」という雰囲気があります。

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image by: Shutterstock.com

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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【著者】 武田邦彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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