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鉄道ファン必見。「秋の乗り放題パス」で楽しむ鉄道唱歌の旅

JRが今年も発売している「秋の乗り放題パス」。10月20日まで販売され、22日までの連続する3日間の乗り放題パスとして利用することができます。行楽シーズンにピッタリですが、鉄道ファンの皆さん使用法は一味違うようです。今回の無料メルマガ『Magazine de Station』では、このパスを利用して「鉄道唱歌・東海道線編」を再現する旅の楽しみ方と、鉄道にまつわる豆知識を紹介しています。

鉄道唱歌・東海道線編

秋の乗り放題パス」を使っての「鉄道唱歌・東海道線編を再現した旅に出ようと計画されている方も多かれ少なかれいるのではないでしょうか。ところで実は…この切符だけでは「鉄道唱歌・東海道線編」を完全には再現できない、ということはご存知でしょうか。

理由は山科駅と京都駅の間です。

大石良雄が山科の その隠れ家はあともなく 赤き鳥居の神さびて 立つは伏見の稲荷山

この歌詞からもわかるかと思います。「鉄道唱歌」の初版発行は1900年、つまり明治33年なのですが、この当時の東海道線は逢坂山と東山をう回する形で、馬場駅(現在の膳所駅)・大谷駅(現在の京阪電鉄・京津線の大谷駅とほぼ同じ位置にあった)・山科駅(現在の山科駅よりは南方にあった。地下鉄東西線の小野駅の近く)と辿ったのちに伏見に抜けて、現在の奈良線の稲荷駅の付近から北上する形で京都に入っていたのです。新逢坂山トンネルと東山トンネルが竣工して現在のルートになったのは1921年・つまり大正10年のことです。それと同時に旧ルートは廃止になりました(ただし稲荷駅と京都駅の間は奈良線に転用されています)。

なのでこれに近いルートを探すとすると…

情緒的には前者・費用的には後者をお勧めしておきたいところではあるのですが…どちらにしても最終的には地下鉄東西線で六地蔵駅まで行くことには変わりないですね。

だから「乗車できるのはJRの路線・それも普通列車(快速列車・ライナー列車の類は普通列車に含まれる)のみ」(であることから別名を「『青春18きっぷ』の秋バージョン」と呼ばれる)の「秋の乗り放題パスだけでは再現できない、という訳です。

余談ですが歌では(メロディーラインに合わせてのことかそれとも作詞者の大和田建樹氏がそう思っていたのかは知りませんが)大石内蔵助の諱を「よしお」と歌ってますけど「よしたかと読むのが本当らしいですけどね。

あと、これはご存知の方はご存じかもしれないですけど、当時の国府津駅と沼津駅の間は現在の御殿場線です。丹那トンネル竣工により現在の熱海駅経由のルートになったのは昭和9年のことです(歌の中で「三島は近年開けたる 豆相線路の分かれ道 駅にはこの地の名を得たる 官幣大社の宮居あり」と歌われている三島駅は現在の御殿場線の下土狩駅です)。

また新橋駅は汐留貨物駅になり、その後廃駅・現在では汐留シオサイトとなっています。(現在の東海道線の新橋駅は開業当初は「烏森駅」を名乗っていたものを東海道線の起点を東京駅にしたことに伴って名を改めた)。

では、この辺で(^^)/~~~

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【著者】 M.G 【発行周期】 不定期(ほぼ月刊)

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