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自民圧勝も「野党共闘なら勝てた」と言い張る左派マスコミの愚かさ

これまでマスコミが連日続ける「自民党潰し」「野党礼賛」ともとれる報道を非難し続けてきた、無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さん。今回は自民党が圧勝した衆院選を振り返るとともに、選挙後もメディアで有識者やコメンテーターが繰り返す「得票数からみると、野党共闘すれば自民党に勝てた」という解説の信憑性を検証しています。

自民圧勝の衆院選挙を1分で総括

自民党の圧勝という第48回衆院選挙。とりあえず日本は安泰です。トランプ大統領はシンゾーにお祝いの電話をかけ、中韓の新聞が憲法改正をするなと言わんばかりの報道をします。中韓が嫌がるということは、日本にとって良い結果であるとは、尖閣や靖国、慰安婦を巡る彼らの態度からの経験則です。

さて早速ながら、選挙戦を1分で総括します。その後、この選挙戦を巡る報道のおかしさについて指摘します。

9月16日に朝日新聞が報じて吹き出した「解散風」ながら、繰り返し批判されたのが「大義なき解散」です。これが嘘。マスコミも野党も安倍長期政権を批判していたのですから、解散総選挙は信任を問うもの。また、5月3日に安倍首相は「憲法改正」の日程まで述べており、コレも立派な「大義」です。

一方、小池百合子都知事が「希望の党」を立ち上げ、民進党を吸収合併するかとの観測に、解散を批判してきていたマスコミは「安倍政権打倒」と色めき立ちました。そして「野党再編」という大義ができたと口を揃えます。

さらに小池氏が「排除の論理」を持ち出し、リベラル壊滅かと混乱していたら、立憲民主党が立ち上がると「筋が通っている」と一斉に持ち上げます。

もう十分でしょう。マスコミと野党の定義する大義」とは「政局」や「政争」という権力争いだということです。そしてその設定の上で自民党が圧勝した。これが今回の選挙の結論、すなわち総括です。

我が国の国民はフワッと流れに乗るときもありますが、それなりに考えることができますし、なにより信義や筋、道理を大切にします。そしてこれを軸とすれば、自民党の支持が増えるのは当然と言えば当然です。

ここからは、選挙前後のマスコミの異常な報道ぶりを指摘していきます。

選挙が終わってマスコミは平壌放送。あきらかな誤字ですが、あるネット民に教えられた言葉で、いつも通りの北朝鮮が喜ぶような、日本を貶める弱体化させるかの報道という意味です。立憲民主党が躍進したと、彼らを持ちあげ、返す刀で「安倍政権が支持されたわけではないと珍説を開陳します。

議会制民主主義であり政党政治の我が国では、政党党首は「首班指名」に名乗りを上げて、最多得票数を得たものが首相になります。自民党総裁は安倍晋三氏で、自民党が勝てば「安倍政権」が再任されるのは自明の理。

まして選挙結果という圧倒的な民意を前にしても、それを否定するとは、頭の中がアレでなければ、「世論は俺たちが決める。愚民は黙っていろ」という傲慢の告白です。

珍説の背景になっているのは、朝日や毎日などの世論調査で「安倍首相での政権を望まない」という回答の高さですが、日本は大統領制ではなく政党政治です。そもそも、この設問が首相とは言え、個人に対するイジメです。

また、毎日新聞が10月13~15日に実施した世論調査では、衆院選後も安倍晋三首相が首相を続けた方がよいと訊ねたところ、「よいとは思わない」が47%で、「よいと思う」の37%を上回ったとあります。

これをもって「安倍ノーとは短絡的過ぎます。逆に「悪いと思うか」と聞いてイエスがこの数字なら、確かに安倍政権への不信任ですが、「よいとは」という曖昧な設問には、「もっと適切な人がいるならば」という曖昧な答えも含むことができるからです。

つまり、良いと断言する明確な理由がない、あるいはマスコミが執拗に批判しているから、という層がここに含まれるということです。

印象操作と断じて良いでしょう。ネガティブキャンペーンです。ただし、新聞には不偏不党を求める放送法の縛りはありませんから違法ではありません。

Web版の記事では「比例代表どこに?」と見出しを貼った円グラフがあります。そこでは「立憲民主党」が多数派ですが、これは「良いとは思わない」と答えたグループの回答。しかし、ぱっと見た目は立憲民主党が多数の支持を得ているかの印象を与えることができます。

政党別得票数、得票率から、「野党共闘がなっていれば自民党を倒せた」という言説も拡散されています。

これのネタ元は自民党の小泉進次郎氏。数字合わせはともかく、選挙特番で密着取材を受けた小泉氏が繰り返していた、自民党への苦言であり、野党へのエールであり、タラレバを重ねたリップサービスといってもよいでしょう。

これをとあるジャーナリストが「ある自民党関係者もこういっていた」と、野党共闘を惜しんでみましたが、それを見た妻が言います。

「進次郎が言ってた話じゃん」

丹念に既存メディアを追っていると、ジャーナリストや政界通と誇ってテレビに出ている有識者の多くが、「テレビ週刊誌をネタ元にしていることがわかります。これなど最たる例です。

確かに利権民主党…あれ、もとい立憲ミンス党…コホン、立憲民主党と希望の党、さらに無所属と日本共産党の得票数を単純に合算すれば、自民党を倒せたかも知れませんが、机上の空論に過ぎないと断じます。

その理由は私が所属する東京12区に明らかです。

元アナウンサーで自民党所属だった八代英太氏は、小選挙区制の始まりとともに東京12区から出馬し当選します。ところが自公連立がはじまると、公明党の次期党首とみなされた太田昭宏氏が出馬し、両者の思惑が一致し、選挙毎に譲り合う「コスタリカ方式」が採用されました。ところが八代氏は「郵政民営化反対」で党を追い出され、以後、公明党の選挙区になります。

自民党支持者アンチ創価学会票はいつも宙ぶらりんです。自民党本部が、都連が、足立区総支部が号令をかけたからと、内心の自由を侵すことはできず、選挙のたびに「白票が多いことでも有名であるのが東京12区です。

政権交代選挙の時、小沢一郎氏の愛弟子、青木愛参議院議員が、太田昭宏氏を破ったのもこの選挙区で、前回選挙で日本共産党の池内沙織氏を、ゾンビとして国会に送り込んでしまった背景には、こうした選挙民の複雑な思いがあります。ちなみに今回選挙で池内氏は、ゾンビにもなれませんでした。

つまり、それぞれの野党が、それぞれの野望のために野合を実現したとき必ずしも足し算で票が上積みさせることはないということです。

北海道など「地方」では確かに成功例も出ていますが、全国的な展開になれば、黙って見過ごす自民党ではありません。

そのとき「大義」「政策」、さらに「理念」が違う政党が手を組むことを自民党が人気者を揃えて批判したとき、それに野合連合もマスコミも答えることなどできはしません。反安倍だけで思考停止する政治評論家の伊藤惇夫氏あたりは「自民党だって」といつもの「お前だって理論」を持ち出すでしょうが、批判された手法をその後に繰り出す悪質性に彼はいつも気づきません。思考停止とは言論における死に至る怖い病です。

野党共闘で自民党打倒、とは、自民党がなにも反論をしない、できないという前提での妄想です。あるいは「自民党の反論なんか報道しないぜという宣言かもしれません。

日本共産党は自衛隊を違憲とし、天皇すら排することを目論みます。立憲民主党ならこれに賛同できるかもしれませんが、希望の党に最初に移った政治家の中には、これに明確に反対するものがいます。3秒考えるだけで、野党共闘は限られた地方で、ごにょごにょっとバレ無いようにヤルぶんには成功しても、全国規模では無理があると気づきます。

それでもマスコミが、盲目的に自民党を攻撃したとしても、日本人の識字率は高く論理的に考える力をもっています。それが今回の「自民圧勝」の背景にあります。こうした現実を前にしても、いまだに「野党共闘」を口にする連中は、

国民はバカ

とでも思っているのでしょう。失礼な話ですが、これが今回の選挙のもう一つの総括です。

野党連合に希望を抱き、選挙結果を認めないかの発言は、

「国民はバカ」

という告白です。

image by: 自由民主党 - Home | Facebook

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ネット番組「みやわきチャンネル(仮)」の宮脇睦が氾濫するメディア情報から社会のホントを指摘しています。マスコミは本当の「全部」を話しません。嘘つきとは言いませんが、誠実な正直者でもありません。そして「情報」はその裏に隠されている「真実」を伝えているとは限らないのです。

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【著者】 宮脇 睦 【発行周期】 ほぼ 週刊

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