「毒親」「アダルトチルドレン」などと聞くと、両親に人格的な問題があったり超教育熱心だったりと、何か特別な事情のある家庭の話ではないかと思ってしまいますが、一見ごく普通の家庭に育った人でも、後に幼少期のトラウマに苦しめられることがあるようです。それは何が原因なのか、無料メルマガ『東北NO1メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』の著者で心理カウンセラーの吉田こうじさんが、事例を挙げて解説しています。
なぜか嫌な男にばかり引っかかる人
今回のテーマはちょっと重たいかもです。おまけに「そんなの嘘だ!」って頭にくるかもしれません。でも、書いちゃいます^_^。
これはある女性の物語です。ここではA子さんとします。A子さんはごくごく普通のご家庭で生まれました。お父さんは地元企業の会社員でお母さんはパート勤務。A子さんが5才の時、今度は弟が生まれました。A子さんは大喜び!
ですが、なんとなく「愛」の矛先が全部弟に奪われているような感覚を持ち始めます。ただでさえ忙しいお母さんは家にいるほとんどの時間を生まれたばかりの弟のために使っています。お父さんも仕事から帰ると「俺に似ているな~」と言っては将来は一緒に野球をやりたいとか釣りに行きたいとか楽しそうに弟の話ばかりします。
A子さんはなんとか親の気をひこうとわざとスネてみたそうです。ちょっとスネれば「ヨシヨシ」してくれるだろうと期待して、ちょっとぐずったり、スネたりしたそうです。すると「お姉ちゃんなんだから!」と逆に怒られてしまう…。
A子さんは考えます。
「だったら、正しいお姉ちゃん像ってなんだろう?」
今度は、なんでもハイハイ言うことを聞いてまるでお母さんのように家事手伝いをしたりお父さんのご機嫌をとるようになります。すると親は「すっかりお姉ちゃんらしくなったね~」と喜んでくれるようになりました。A子さんは嬉しくて嬉しくてそれからは親の喜ぶことを察知しそれを先回りでするようになります。つまり「いい子」を演じるようになったのです。
ところが…A子さんが高校生になって異性とお付き合いするようになると、何か大きな問題がいつも起きるようになります。その問題は何かというと、
- 馬鹿にされる
- 殴られる
- こき使われる
- 屈辱的なことばかりされる
こんな感じです。そんな感じで大人になると今度は自分でもなぜかよくわからない別の問題を抱えるようになりました。それは、「そろそろこの人と結婚かも…」というくらいのお付き合いをする関係になると、途端に相手に興味を失ったり、相手の嫌な部分ばかり見えるようになったり、自分は相手にふさわしくないと思ったりして、いつまでたっても結婚できなくなったということ。
どうしてA子さんの心の中ではこんなことが起きてしまうのでしょうか? これは、「嫌われないようにするためには、相手が喜ぶこと(いいなりになること)が正しい」という信念を幼い頃に形成してしまい、それをずっと人生の中で強化してきたせいで、「結婚したらいいようにこき使われるだけだ」「結婚したら余計にありのままの自分でいられなくなる」とA子さんの無意識が抵抗していたからなんです。これはある意味家庭環境で生じたトラウマ(呪い)といってもいいでしょう。
A子さんは気さくで優しく誰からも好かれるような感じの人なんです。でもA子さんが気さくで優しくする行動の動機、つまり心の奥底には「相手のいいなりにならないと嫌われる」という根深い恐怖があったのです。A子さんの心の中には、両親の愛を「弟に奪われる!」という恐怖から「いつもいい子にする」ことが正しい行動だと信じているA子さんと、「このままでは私はずっと相手の奴隷のままだ!」と抵抗している、もう一人のA子さんがいて、その二人の葛藤が、「結婚に踏み切れない」という結果を生み出していたんですね。
セッションの中でこうしたことに気づいたA子さんは
- ご両親への見方
- 弟への見方
- 自分自身への見方
を変えて行きました。するとこれまでとは全く違うパートナーが見つかり…、職場でも嫌な上司や同僚からチクチクネチネチ攻撃されることもなくなり…、ご両親や弟さんとの関係がびっくりするくらい改善し…、A子さん曰く「やっと引き寄せの法則の意味がわかりました」だそうです。
今、目の前で起きている現実は私自身で創り出しています。今の現実が最高にハッピーならそのままさらにハッピーになっていけばいいでしょう。でも、今の現実がどうにも苦しいなら環境を変えるなどの短期目線、対処療法ではなくて、「自分のあり方を変える」、これがオススメです。
じゃないといくら環境を変えてもまた繰り返します。それも「倍返し」で繰り返す可能性がとても高いですから。
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