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なぜ「◯◯専用」と名付けた玉子は高くても飛ぶように売れるのか

スーパーのセール対象にもなりやすく、身近な食品・玉子。しかし、あまりにも身近すぎるせいか、その価値は低く見られがちとも言えます。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんがその玉子を例に、その商品価値を上げる「◯◯専用玉子」という戦略にについて解説しています。

「○○専用」が利益率を上げる!?

「玉子焼き専用」「親子丼専用」「オムレツ専用」「カルボナーラ専用」。

これらが何を差しているか、わかるでしょうか。調味料だと考える人もいるでしょうが、実は“玉子”なのです。料理によって使い分けるようになっている“専用玉子”です。

そこまで味の違いがわかるのかどうか、という疑問はさておき、一流の料理人や料理好きの人であれば、興味を持つのは当然のことです。味を追求するなら、試す価値は充分にあります

他にも、「目玉焼き」「ゆで玉子」「温泉玉子」「ピカタ」「ケーキ・お菓子」など、業務用・家庭用合わせて、70種類以上の玉子があります。玉子を専門に扱う会社が、養鶏場と提携して、“専用玉子”の開発・販売を手掛けているのです。

鶏に与えるエサを替えることで、玉子に微妙な違いを作り出しています。「ゆで玉子専用」の鶏には、わかめやさつまいもすだちを与え、「ケーキ・お菓子専用」の鶏には、ハーブを食べさせています。これにより、黄身が濃厚になったり、あっさりしたり、食感が良くなったりするのです。

このように「○○専用」とすることで、注目を集め興味をそそり高値で取り引きできるようになるのです。エサを替えるという手間が増えるだけで、普通の玉子の数倍の価格で売れるのです。

また、普通の玉子は、セールの目玉賞品という辛い立ち位置があるため、食品としての地位はかなり低くなっています。しかし、専用化することで、高くても売れる食品になることができるのです。生産コストが若干上がるものの、手間は従来とさほど変わらないため、利益率が大幅にアップするのです。

同じような手法で収益を増加させている業界があります。醤油の醸造メーカーです。こちらも「○○専用」をたくさん生み出しています。「玉子かけご飯」「焼き魚」「ぶっかけうどん」「アイスクリーム」「カルパッチョ」「ヨーグルト」「パン」「かき氷」「プリン」「餅」……。

これらの専用醤油を150~200ml250~500円程度で販売しています。1L入りペットボトルで200~400円程度の醤油と比べると、やはり数倍の利益率となります。開発の手間や時間は掛かるものの、少量の商品であるため、生産はかなり効率的なものです。

「○○専用」は、利益率の高い商品となります。あなたの扱う商品の専用化を考えれば、収益の改善が図れるかもしれません。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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