読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、2020年の東京五輪後、日本は本当に不景気になるのか?について。少子高齢化の止まらない日本ですが、外国人旅行者の数は増え続けています。インバウンド効果で不景気にはならないとの見方もあるようですが、はたして永江さんの答えは…?
2020年東京オリンピック後の景気予測
Question
2020年オリンピックに向けて景気が良くなり、オリンピック後は不景気になると言われてますが、永江様はオリンピック後の景気をどのように予想されますか?
また、全体的には不景気になった場合でも、どういった業種、業界ならここをチャンスとして伸びていくと思われますか?
私は地方在住ですが、都内にアパレル物販が3店舗あり、インバウンドにかなり助けられています。売上の4割は海外の方です。主にメンズ向けジーンズを販売しています。
今年から来年にかけて関東で2~3店舗出店を検討しています。オリンピック後は日本人は不景気感いっぱいかもしれませんが、海外からの旅行客は増えるのでは、と期待しています。
以上、よろしければ永江様のお考えをお聞かせください。宜しくお願いいたします。
永江一石さんからの回答
オリンピック後の景気は下がるに決まってますよ。昨年の12月27日号でも回答しましたが、2020年の秋以降、五輪特需の終了で雇用が減り、不動産バブルも弾けて燃え尽き症候群のような状態になるのは明らかでしょう。日本経済の縮小は避けようがなく、具体的にどんな不景気に見舞われるかの予測はブログに書きました。
● 8年後の日本はどうなるか。ノストラダムスじゃなくて必ず来る2025年を見てきたように語る
「インバウンドにかなり助けられている」とありますが、それもいつまで続くか分かりません。例えば今回の北海道地震では被災後しばらく停電が続いたり、スーパーの棚から食材が消えるという深刻な事態に陥りました。台風ならシーズンが過ぎればそれほど支障はありませんが、地震や豪雨などの災害が頻発するような国に、果たして旅行に行きたいと思うでしょうか。
加えて高齢化により、寿司屋の大将や宮大工さんなど名将と言われる人たちはあと25年もすればみんないなくなってしまいますよね。老人ばかりでサービスも低下した国に外国人観光客が集まるかというと謎ですし、その時日本がどうなっているかは誰も予想出来ません。ゲーム・オブ・スローンズで言うと初の「冬来たる」なんです。w
つまりインバウンドに期待しすぎるのは考えものだということ。東京五輪後の不景気は間違いなくくるので、その時にどんなビジネスが伸びるか考え、先手を打っていくべきだと思います。
たとえどんな不況下でも、成功する人は成功する。たしかに景気が良ければみんなにお金が回りますが、そうでないときも成功する人は成功します。
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