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いじめる側5つの特徴でわかる「いじめさせない」ためにすべきこと

子どもの人権問題として多くの親を悩ませるのが「いじめ」です。最近のいじめの特徴として、制限なくあらゆる子どもがいじめの対象となっていると指摘するのは、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんです。今回はまずいじめの特徴と原因、いじめる側の人物像を詳しく解析。いじめさせないためにはどうしたらいいのかを探っています。

いじめはなぜ起きる?

12月10日は、世界人権デーです。家庭教育問題をご相談される方の中でも、子どもの人権については上位を占めています。また、平成29年の内閣府の調査では、子どもの人権問題は何かという問に対し、以下の5つが上位にランクインしています。  

1位:いじめを受けること  

2位:虐待を受けること  

3位:いじめ、体罰、虐待を見て見ぬふりをすること  

4位:体罰を受けること  

5位:学校や就職先の選択等に対し、子どもの意見を大人が無視すること

やはりいじめは最大の人権問題です。2回にわたり、いじめについてお伝えします。

1.いじめの特徴

今では、あらゆる子どもが対象になっています。かつては、動作が遅い、性格がおとなしい、といった子どもが対象になることが多くありました。まじめな子や、活発な子、良い意味で目立つ子、などは対象になりませんでした。しかし、今では制限無く、誰にでも「ささいなきっかけ」でいじめが始まります

・一人を複数がいじめる: 複数でいじめるため、首謀者がはっきりせず、罪の意識を感じません。

・手段が執拗かつ陰湿: 例えば、大勢の前で無理矢理裸にさせる、教科書を破りゴミ箱へ捨てる、「プロレスごっこ」という名の暴力を振るう、仲間外れ、ネット掲示板への個人攻撃、ラインでのつるし上げなどです。

・傍観者だけでなく観衆がいる: 加害者と被害者という対立構造ではなく、加害者、被害者、傍観者、観衆という4面構造から成るイベントになってしまっています。傍観者は口出しすれば自分がターゲットに成りかねないため、見て見ぬふりをする子どもたちです。観衆はいじめを面白がり、はやし立てる子どもたちです。

2.なぜ起きる?

本来、人は攻撃し合うよりも共存する方が自分にとって有益であることを本能的に知っています。しかし、コントロール能力が充分でない子どもは、人を攻撃することで自分を守る、といういじめ行為をします。この背景には、子どもをとりまく家庭、学校、社会環境が複雑に絡み合った問題があります。

例えば、子どもの欲求不満を溜めさせる家庭環境や、いじめを見過ごす学校環境、助長する社会環境など様々です。

加害者の問題としては、共感性が乏しい、コミュニケーション能力が未熟、強いストレスを抱えている、などが主な原因とされていましたが、最近では「自分の存在意義を示したい」「自分が優位に立ちたい」など、人を貶めることで自分を正当化しているケースが目立ちます。

3.加害者の子ども像

いじめを行う子どもは、欲求不満や劣等感を持つ他に、幾つか特徴があります。

家庭教育アドバイス……「いじめさせないために」

いじめをさせないためには、その子どもの「人権意識を育てる」ことです。いじめは、先述した通り「加害者の存在感や自尊感情を満足させるため」「欲求不満のはけ口を得るため」の「代償行動」です。また、「他者を思いやる」という人権意識の低さによる行為です。

ですから、根本的解決法は、いじめを行う子どもの存在感や自尊感情を満足させること、そして、子どもたち同士がお互いに人権を尊重し合う心を育てる指導が必要です。

image by: shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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