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家庭教育のプロに聞く「記念日はお祝いをした方がいいですか?」

誕生日やクリスマスなど、記念日のお祝いを子どもの頃にしてこなかった人は、大人になっても特別なことは不必要だと考える人もいるようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者、柳川由紀さんは、「誕生日」ではないものの、室町時代から続く、子どもの成長を祝う風習を紹介。記念日を家族で祝うことの意義を改めて解説し、相談者に対しては、家族で話し合うことをオススメしています。

記念日を大切に!

Q. 我が家では、家族の誕生日やクリスマス、結婚記念日や「〇〇の日」のお祝い、といったものを一切しません。夫にその習慣がなかったからです。 私としては、メリハリもつくのでお祝いした方がいいと思うのですが、どうなのでしょう?(中1、高1男子のママより)

柳川さんからの回答

それぞれのご家庭によると思います。一度、ご家族みんなで話し合われてはいかがでしょう? 日本における誕生日や、記念日の祝いについて調べてみました。

1.誕生日の風習はいつから?

もともと日本には誕生日をお祝いする習慣がありませんでした。昔は「数え年」で年齢を数え、毎年1月1日になると一斉に年をとっていたからです。

日本で個人の誕生日が祝われるようになったのは、「年齢のとなえ方に関する法律」が制定された昭和24年以降、満年齢が普及されてからのようです。それ以降、海外の習慣も取り入れ、個人の誕生日を祝うようになりました。

2.室町時代から続く誕生日祝い?

日本には、ある伝統的な誕生日の風習があります。それは七五三です。室町時代頃から始まったと言われ、現在も日本の風習として根付いています。

当時は、栄養が乏しく、医療も未発達で乳幼児のうちに亡くなってしまう子どもが多くありました。そこで、七五三の年まで無事に育ったことへの感謝と成長の節目を祝う意味を込めて、神様に祈りを捧げるようになったのです。

ですから、誕生日祝いとは、成長を祝う意味と同時に、これまでの成長に関わって下さった周囲の人々への感謝の意味も含まれているのです。

3.誕生日、記念日は通過儀礼

男子の「元服」や、公家の女子の「裳着(もぎ)」も、日本の伝統的な誕生日の風習と言えます。元服や裳着は、数え年12~16歳で執り行う成人の儀のことです。今では、20歳の「成人式」として、その形を残しています。

成人の儀は、大人として迎えることを祝うだけではなく、その年を迎える本人の通過儀礼の意味があります。通るべくして通るものであり、祝うことが当たり前でもあるのです。

家庭教育アドバイス…「幸福感&自己肯定感アップ」

記念日を祝うのは、家族の絆を強くする秘訣とも言えます。「幸福感を覚える」からです。

誕生日はもちろんですが、父の日、母の日、〇〇記念日などを家族みんなで祝うことで、お互いを認めていること、喜びを共感していることを確認でき、自分の存在を改めて感じることができ、家族の大切さや気持ちを再確認できます。子どもたちの「自己肯定感」が上がるきっかけになります。

記念日は思い出を語ったり、気持ちを伝えあったりできる特別な日。そんな日だからこそ、普段は気恥ずかしくて言えないような気持ちを家族に伝えてみましょう。

記念日は、節目であることが多いものです。ですから、記念日をお祝いすることは、自分や家族の節目をきちんと見つめ、祝うことにも繋がります。

良いことずくめの記念日の祝いですが、盛大にすることはありません。身の丈に合ったお祝いを心掛けましょう。写真一枚だけ、気持ちを伝えるだけでも大きな意味があります。

これまで、記念日を祝ってこなかったという方、是非、体験してみて下さい。お勧めします。

image by: kazoka, shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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