営業の世界では、まず「自分が結果を出すこと」に必死になる時期があります。数字を追い、評価を気にし、どうすれば楽に成果を出せるかを考える――それは決して悪いことではありません。しかし、長く結果を出し続ける人ほど、ある段階から“視点”が変わっていきます。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんは、今回の記事で仏教における「小乗」と「大乗」の考え方をもとに、営業として真に成長していくためのステージについて考えていきます。
「自分だけ良ければいい」を卒業し、次のステージに進む
今回は仏教の話から。
私もそれほど詳しくないが、この話は参考になる。
仏教において「小乗(しょうじょう)」と「大乗(だいじょう)」という言葉がある。
「小乗」とは自分一人の悟りを追求すること。自分自身が苦しみから解放され、高い境地に達することを目指す。
これに対して「大乗」とはその教えをもとにみんなを乗せて、共に救済の道へ進むこと。
自分が得た知恵や悟りを自分一人のものにせず「多くの伝え、共有していく」という考え方。この法則は人生や生き方にも当てはまる。
・第一段階・・・「進化」という小乗のプロセス
人生の目的、あるいはキャリアの初期段階は「自分が成長する、進化する」ということ。
・より高いスキルを身につける
・より多くの知識を得る
・より高い成約率を目指す
・より多くの報酬を得る
これらはすべて「自分を磨き、高める行為」ということ。
仏教でいえば、まずは自分を救うための修行。つまり「小乗」のフェーズといえる。
営業スタッフになりたての頃、あるいは結果が出ずに苦しんでいる時、まずこの「自分が成長する、進化する」といったことに集中する必要がある。
自分が未熟なままでは「誰かを助けること」はできない。
もがき苦しむ中で「こうすればいいのか」というヒントをつかむ。
そして結果を出す。
これだけでも素晴らしいこと。
しかし、ここで多くの人が「自分一人の進化」だけで満足してしまう。
これ先に行けるかどうかが非常に重要になってくる。
・第二段階・・・「提供」という大乗のプロセス
ある程度の結果が出るようになった。
さあどうするか?
自分のスタイルが出来上がった時「人生の目的は次のステージ」へ移行する。
それが「得たものを提供する」という段階だ。
自分が培った「ノウハウ、テクニック、秘訣」などを周りの人や多くの人に伝える。
・自分が苦労して得たノウハウを後輩に伝える
・自分と同じように困っている人に向けて情報発信する
・業界全体が良くなるような働きかけをする
などなど。
ここに進んでいく。
これが「大乗」の生き方である。
面白いことに、人生でも仕事でも「自分のために」と頑張っている時よりも「誰かのためになればいい」と思っている時のほうがパワーが出る。
これは誰しも感じたことがあるはず。
この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ
私自身、ずっと苦しかった。
頭の中はいつも自分のことでいっぱい。
「ノルマだけでもクリアしたい」
「楽して契約を取る方法がないかな」
「どうすれば上司に怒られずにすむか」
なんとかしがみついている状態だった。
その後、営業レターで結果が出始める。
お客様から「菊原さんだから相談したんですよ」と言われるように。
あるときから「自分が売れるかどうか」とはあまり考えなくなっていた。
もちろんゼロではないが。
それより「どうすればお客様が得をするか」「どうすれば安心してもらえるか」を重視するようになった。
地元で営業をしているんだ。どっちにしても逃げられない。
だったら「このお客様と一生付き合うんだ」と腹をくくった。
・コスパのいい家づくり
・どうやったら無駄がなくなるか
・どのタイミングが一番いい条件が出せるか
などを真剣に考えた。
これを考えているうちに結果はついてきた。
気づけばトップ営業になっていた。
その後、「誰かにこれを教えたい」と思うように。気の合う後輩にノウハウを伝えた。
さらに「営業でうまくいくヒント」をブログで発信した。
多くの方に喜んでもらった。
それ以上に自分自身も元気になった。
今まで自分からやる気になったことはない。
人に伝えるようになってから「どことなくパワーを感じる」といったようになったのだ。
あなたが今、もし停滞を感じているとする。
であれば今自分がやっていることを確認してほしい。
日々の行動を振り返り「自分のためだけにその力を使っていないか?」と問う。
これで必ず気づきがある。
最後に「営業の3つのステージ」をまとめる。
・ステージ1
徹底的に自己投資して「進化」する
本を読む、研修に行く、トップの真似をする。まずは自分を、結果を出す営業スタッフへと引き上げる。
・ステージ2
その力を「提供」のエネルギーに変える
得た知識を出し惜しみせず、お客様へアドバイスする。まわりの仲間、チームに共有する。
ステージ3
広く提供することでさらなる進化につなげる
まわりだけでなく、不特定多数の人へ発信する。「世の中が少しでも良くなれば」と思いながら活動する。
営業とは、単なる物の売り買いではない。
あなたが自分で作り上げた価値を提供する。
そのことで、お客様が喜ぶ。
さらに結果を出したあなたを見て周りのスタッフが「私もあの人みたいになりたい」と感化され、チームが活性化する。
そのノウハウを分かりやすい形でまとめて伝える。こうなればあなたは誰からも尊敬される。
「自分だけが良ければいい」という小乗の殻を破り、「周りをも幸福にする」という大乗の視点を持ったとき“営業の神様”はあなたを放っておかなくなる。
結果が出ないほうが不自然だ。
今日からステージを一段上げることを意識する。これで営業として真の成功と幸福を得られることになる。
【本日のポイント】
・人生には「進化」と「提供」の2段階がある。
・「小乗」の営業から「大乗」の営業になることを目指す
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