「経営コンサルの存在は知っていても、彼らにお金を払ってまで依頼するのはバカらしい」という経営者の方、意外と多いようです。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、もはや同業者内に優れた相談相手がいない今、頼るべきは経営コンサルだとした上で、その「選び方」をレクチャーしてくださっています。
相談相手を見つける方法
「コンサルタントに金を払うのはバカらしい」と思っている中小企業経営者も多いでしょう。コンサルタントが言うことに対して、「そんなことは分かっている」という方もいらっしゃいます。自信家ですね。また、「何をしたらいいか、具体的に教えて欲しい」と迫ってこられることもあります。すぐに結果を求められる方ですね。経営は、そんなに簡単なものではありません。こうしてみると、コンサルタントというのは、なかなか難しい仕事です。
では、スポーツショップの皆さんは、経営や商売について誰に相談をされているのでしょう。
実は、スポーツ問屋さんが元気なころは、お店にやってくる営業マンが相談相手でした。彼らは、メーカーさんや他店の動向の情報を持っています。中には、他業界の情報に通じている営業マンも。小売店さんが営業マンに相談すると、何らかのアイデアや解決策を教えてくれました。大変優秀な相談相手だったのです。
いわば、彼らはスポーツショップに対するコンサルタントの役割をしていたと言っていいでしょう。しかも、無料のコンサルティングです。
ところが、最近ではどうも様子が違ってきています。問屋さんにアドバイスを求めても、以前のような的確な答えがありません。あまりに急激に世の中の流れが変わってきているので情報が不足しているのかもしれません。
原因はよく分かりませんが、今までのような相談相手がいなくなってしまったのは確かです。そうなると、小売店さんは誰に相談をすればいいのでしょうか。
相談相手は経営コンサルタント
それは、同業のスポーツショップでしょうか。これも以前からよくある相談相手です。気の合うスポーツ店仲間がいます。また、一緒に経営の勉強をしているグループもあります。お互いにアドバイスをし合うのです。しかし、これもそろそろ限界かもしれません。本気で仲間のお店をアドバイスしても、それが本当に正しいのかどうか分からないと思うのです。
そこで、次はお店で契約をしている税理士さんや社労士さんに相談します。ところが、いいアドバイスが出てきません。それはそうです。戦略やマーケティングに詳しいわけではないので、経営課題を解決するための情報を持ってはいません。
では、スポーツショップは誰に相談したらいいのでしょう。やはり、ここは一つの答えとして、「経営コンサルタント」の出番ではないでしょうか。経営コンサルタントと聞いて、すぐに浮かぶのが中小企業診断士ですね。ところが、その中小企業診断士の人たちも、コンサルタントとして生計が立っている人は少ないと聞きます。理由はいろいろあるでしょうが、コンサルタントに多くの対価を支払う経営者が少ないことや、大企業出身の中小企業診断士が多いので、中小企業のことがよく分かっていないということもあげられるかもしれません。
それはともかく、相談相手として、中小企業診断士を含めた「経営コンサルタント」を見つけられてはいかがでしょう。もう業界の中には、良い相談相手はいないようです。それならば、外に見つけることです。
経営コンサルタントの見つけ方
かつて、多くのチェーンストアが渥美俊一氏の薫陶を受けました。一倉定氏や船井幸雄氏の指導を受けた会社も多いです。今もそうした力のある経営コンサルタントはいるでしょう。しかし、指導を受けるにしても、それなりの費用を覚悟しなければなりません。
では、そんな有名なコンサルタントではなく、普通の経営コンサルタントはどうでしょう。私の周りには、そんな普通の経営コンサルタントがたくさんいます。まずは、そうしたコンサルタントを入り口にしてはいかがでしょう。
とはいえ、どうやってそのコンサルタントを見つけたらいいでしょう。検索をして、ホームページを見るだけでは、なかなか分かりません。
町の小さなコンサルタント事務所は、自分でセミナーを開いたり、商工会議所などに呼ばれて講師をしています。これを調べて、気になるテーマのセミナーに参加してみてください。すると、何人かの経営コンサルタントに出会うことができます。その中に、波長の合いそうな人が見つかるかもしれません。良い相談相手になる可能性があります。
ただし、せめて5年以上の中小企業コンサルティング経験のある方が良いでしょう。さらにいえば、少しは失敗経験のあるコンサルティングが良いと思います。もちろん、知人から紹介されたコンサルタントも良いです。きっと、期待以上のアドバイスをくれるに違いありません。
さて、そうして相談相手が見つかったとします。あなたが気を付けることがあります。それは、コンサルタントに相談するときは「素直」になることです。謙虚に学ぶという姿勢を持ちましょう。
とはいえ、自分なりの経営哲学を持つことも大切です。経営コンサルタントはアドバイスはしてくれますが、決断をしてくれるわけではありません。考え方の「芯」を持っていることで、コンサルタントの意見をより役立てることが出来るのです。
ぜひ、そんな相談相手を見つけてください。もちろん、対価は必要ですが。
■今日のツボ■
- スポーツショップの相談相手は、業界の中にいなくなった
- 「経営コンサルタント」は、良い相談相手になる
- 相談をするときも、自分なりの経営哲学を持っていること
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