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働きながらの治療を応援「治療と仕事の両立支援助成金」の貰い方

たとえばがんや脳卒中など、かつては「不治の病」と受け取られていた疾病も、医療技術や治療方法の進歩によって「長く付き合う」という意識に変化しつつある昨今。事実、これらの病を含むなんらかの治療を受けながら仕事を続けている人は、3人に1人とも言われているそうです。今回の無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』では、そんな方々が安心して仕事を続けられる環境整備のための助成金の制度について、詳しく解説しています。

治療と仕事の両立支援助成金

働き方改革実行計画の一環で、国もいろんな支援を行っている。今回は、仕事と治療の両立支援について。


新米 「従業員さんが病気になってしまっても、無理なく働き続けてもらうためにはどうしたらよいんでしょうねー」

大塚 「大切な人材に辞められると困るもんねー」

E子 「今でも治療しながら仕事している人は、3人に1人にもなるのよ」

新米 「3人に1人も!?」

E子 「そういう人たちが仕事を続けていける環境が必要なのよね。仕事を持ちながら、がんの治療で通院している人だって32.5万人にもなるんですって」

大塚 「そんなに!」

深田GL 「統計上、病気を理由に1ヵ月以上休業している従業員さんがいる企業の割合は、メンタルヘルスが38パーセントがんが21パーセント脳血管疾患が12パーセントらしいね」

所長 「私もそうだったが、病気になっても働き続けたいとする人は92.5パーセントにもなるそうだよ」

新米 「そうですよねー、生活をしていくため、治療費のためにももちろんだけど、自分の仕事に期待してくれる人がいれば、病気と闘う励みにもなるし、生きがいにもなりますよね」

所長 「今は、診断技術や治療方法の進歩から、かつては『不治の病』であった病気も生存率が向上し、『長く付き合う病気に変化してきているんだよ」

E子 「両立ができると、貴重な人材資源の喪失が防げ、継続的な人材の確保や定着につながりますもんね」

深田GL 「従業員さんのモチベーションアップで労働生産性が維持・向上、健康な経営が実現されることになれば言うことナシ!」

大塚 「継続して収入が得られ、生活への安心感が生まれ、さらには仕事による社会貢献や自己実現にもつながりますよね」

新米 「そんな風な職場が増えるといいですよね」

大塚 「そんな職場を応援する助成金ができてるのよねー」

新米 「今度はどんな助成金ですか?」

E子 「『治療と仕事の両立支援助成金』っていうのよ。環境整備コースと制度活用コースの2種類があるの。この助成金は、事業者の方が労働者の疾病の特性に応じた治療と仕事の両立支援制度を導入したり、適用したりした場合に事業者が費用の助成を受給できるわ」

新米 「具体的には、どんな助成金ですか?」

大塚 「環境整備コースは、両立支援環境整備計画を作成し、計画に基づき両立支援制度の導入を行い、かつ、両立支援コーディネーターを配置した場合に費用を助成、一律20万円ね」

深田GL 「両立支援コーディネーターを配置することがポイントだね」

大塚 「もうひとつの制度活用コースは、同じく両立支援制度活用計画を作成し、計画に基づき両立支援コーディネーターを活用、両立支援制度を用いた両立支援プランを策定し、実際に制度を活用した場合に費用を助成、ただし、こちらは、対象労働者が有期契約と無期雇用毎に1回ずつ一律20万円ね」

E子 「こっちは、実際に制度を活用することがポイント」

新米 「で、それらの定義はどうなってるんですか?」

深田GL 「まず、傷病を負った労働者の定義って言うのは、事業者に直接雇用される者のうち、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝炎などの反復・継続して治療が必要となる傷病を負った人のことだよ」

所長 「それから、両立支援制度とは、この労働者の治療と仕事との両立の支援となる一定の就業上の措置、たとえば、時間単位の年次有給休暇や傷病休暇、病気休暇などの休暇制度や、フレックスタイム制度、時差出勤制度、短時間勤務制度、在宅勤務、試し出勤制度ほかの勤務制度などを指すんだ」

大塚 「両立支援制度の導入は、当然就業規則などに両立支援制度を新たに記載するってことよ。今のところ、取得条件や取得中の賃金の支払いの有無等の処遇は問わないとなっているわ」

所長 「両立支援コーディネーターっていうのは、平成30年3月30日付け基安発第0330号に基づく研修を修了した者ってなっているんだけど、これが曲者なんだ」

新米 「え?どう言う意味ですか?」

E子 「この両立支援コーディネーターの養成講座が大人気で、受講応募者が殺到しているの。応募しても抽選になって、なかなか講座の受講ができないそうなのよ」

所長 「京都で12月に開催される講座申し込みが先日締め切られて、抽選になったが、倍率が3倍ほどもあったらしいよ」

大塚 「あらー、それは問題ですね」

所長 「今回、私も抽選に漏れたんだ。いずれにしても、両立支援制度はこれから必要だと思うから、助成金をうまく活用して、安心できる職場づくりしていきたいものだね」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 イケダ労務管理事務所 【発行周期】 週刊

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