今年3月に本格オープンしたニューヨークの再開発エリア「ハドソン・ヤード」ですが、まだまだ開発は続いており、NYで一番高い展望バルコニーのエッジのオープンは来年3月に決まったようです。伝えてくれるのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でニューヨーク在住のりばてぃさん。新しい施設の誕生に加え、既存の店舗もコンセプトが次々変化するなど、街づくりや店舗づくりの参考にはうってつけのエリアだとオススメしています。
臨機応変ハドソン・ヤード
このメルマガやブログのほうでも度々取り上げている、今、ニューヨークでもっとも熱い再開発エリアのハドソン・ヤード(Hudson Yard)。
すべて完成すればアイルランドのGDPを超える規模の年間189億ドル(1兆8,900億円)もの経済効果となるというだけあり、まだまだ開発途中だが少しずつ着実に工事は進められており、つい先日もニューヨークで一番高い(東京タワーより高い?!)展望バルコニーのエッジ(Edge)がついに来年3月に一般公開されると発表されニュースに。
すでに公式サイトでチケット販売が開始されたので、この時期に確実に行けるという方は、十中八九混むので、今からチケットを購入しても良いかもしれない。
ご参考:
● エッジ公式サイト
ちなみに、さすがアメリカという感じの興味深い現象としては、進捗に合わせて内容を思いきって変更するという点。
エッジについては今年7月にブログのほうで以下の内容で取り上げたのだが、その時は、「パブリック・バルコニー」と公式サイト上で表現していた。パブリックは無料という意味に捉えられる表現なので無料で公開されるの!?と驚いていたのだけど、それが、最新の発表では有料に変更されたのだ。
ちなみに春ごろに発売されたニューヨーク・マガジンのハドソン・ヤード特集では有料の展望台と伝えられていた。これは憶測だけども、内部で議論があったのだろう。
同じくハドソン・ヤード内にある超巨大体験型アート兼展望台の『ヴェッセル』が無料であることで、人を呼び込むアトラクションになっていることも影響があったのかもしれない。なんだかんだ検討されて、結局、有料となった。実は、こういうことはアメリカにはよくある。その場に応じて必要と判断したら、それまでの規程をがらっと覆したりするのだ。
最近の顕著な事例では、ノリータにできた新たなプラットフォームとしての小売店の1つ『ショーフィールズ』(SHOWFIELDS)がある。今年春、主にD2Cの小売店を多く誘致しこれまでのセレクトショップ的なものではなく、販売や売上データの管理、マーケティングやプロモーションもこなす新たなタイプの小売店としてオープン。
ブログの記事にするのをすっかり失念していたので、同じくプラットフォームとしての小売店であるB8taの記事を。
ご参照:
● 発見のためにデザインされた店、b8ta、NYハドソン・ヤード店
当日は実店舗だからできる体験型の店舗とアートを融合した小売店として話題だったが、最近ではより劇場のような感じの変化も見せている。店内を案内する際に劇を見せるような演出を追加。事前予約で無料で見ることができる。
また、店舗内部を初期の頃からがらっと変化。おそらく客の興味を惹くために躊躇せず新たな試みをしているのだろう。ただし、若干、まとまりがないので、店内がごちゃっとした感じになっているため、今後また変化すると思われる。
そして今これを書きながら気づいたが、記事用に撮っておいた写真がもうすでに一部使えないかも??ほんの3ヶ月前と現在の比較という記事にしても面白いかもしれないけど…。うーむ。
とにかくアメリカではスピードが速く、変えていったほうが良い部分は躊躇なくバシバシ変化を加える傾向にあるのだ。
店舗のように形あるものは作る手間があるので、それでも変化するにはある程度の時間が必要だが、もしかしたら小売や都市開発に携わられている方はニューヨークを1年に1度は視察をして情報をアップデートした方が良いくらいなのかもしれない、と思う。特に今ニューヨークではハドソン・ヤード以外にも再開発はいたるところであるので、激しい変化を楽しめる時期だと思う。
話をハドソン・ヤードに戻すと、展望台のエッジの有料無料の件に限らずショッピングモール内に展示されているアート作品の作品情報もオープン当初は間に合わなかったのか取り付けられていなかったり。
アメリカ、特に変化の激しいニューヨークでの注目の再開発エリアなので、定点観測していると新たに変更や追加したものが見れていろいろ興味深い。
また、世界初の『定量化されたコミュニティ』(First Quantified Community)となるのでそれに関する情報も様々出ていたりするので(しかも高齢化が進む日本にも非常に重要な話題で、5Gなどとも関係してくる)今後、また最新情報が出たさいにでも続報をお伝えしようと思う。
ご参考:
● NYのハドソン・ヤードは未来のスマート・シティ
image by: Francois Roux / Shutterstock.com