「周囲の評価」を得ることを動機として、頑張り、真面目アピールなどを続けると、一部で評価は得ても、徐々に「頑張り損・我慢損」などのストレスに襲われる場合があるようです。今回の無料メルマガ『東北NO1メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』では著者で心理カウンセラーの吉田こうじさんが、周囲と自分が演じるの虚像のズレが生み出す「偽名現象」について解説しています。
「偽名現象」が招く悲劇
「偽名現象」という言葉を聞いたことがある方もいるかと思います。
偽名現象とはその漢字の通り、人から見られている自分が本当の自分ではなく、偽物の自分のように思っていて、本当なら感じなくてもいい罪悪感などのストレスを感じてしまうという現象です。
これは、まさに本当の自分を隠そうと一生懸命努力してきた人が陥りやすい「自己不適格感」と言ってもいいでしょう。
例えば、人に親切にしようとするとき、その行動の理由(動機)として、本当は
- 親切にしないと見捨てられる
- 親切にしないと嫌われる
- 親切にしないと怒られる
- 親切にしないと孤独になる
などといった、自分にとっては耐え難い不快なことを避けようとするものだったとしても、それを隠して「親切な人のふり」をして親切な行動をとったとします。すると、親切にした相手から感謝されたとしても、「薄っすらとした後ろめたさ」が心に残るんです。そして、その薄っすらとした後ろめたさが、積もり積もっていくと、嘘の自分、ごまかしている虚像の自分がどんどん拡大していって、偽名現象になっちゃうわけです。
で、この偽名現象に陥ると、とても悩ましい現実ばかり体験するようになります。
例えば、職場で同僚に、「あれ?これ、やっていなかったんだ~」と言われたとき、そのひとことを「攻撃された」って思っちゃうんです。で、責めた相手に対して怒りを抱いてしまう…。これ伝わりますか?
あるいは、「あ、まだやってなかったみたいだから、私がやっておくね」って言われたことも、「攻撃された」って思っちゃうんです。で、責めた相手に対して怒りを抱いてしまう…。
相手は、全く責めていないし、ただ、事実を口にしただけ、感想を述べただけなのに、それを「攻撃された」と思ってしまうので、現実世界がまるで敵だらけのように感じちゃうんです。
なので、何とか周りから責められないように、さらに真面目に頑張る。努力する。我慢する…。でも、現実はますます酷くなるばかり…。
僕が思うに、ありたい自分になること(自己実現)の対極にある状態とは、自己防衛的な状態です。自分を守ろう、守ろうとして、嘘偽りの自分を周囲に見せようとしている時って、どんどん自己実現から遠ざかっている時なんです。真面目に頑張っても自己実現から遠いと感じれば、そりゃあ「損した」って思って当然なわけです。
なので、「頑張り損」「我慢損」「真面目損」ばかりの辛く苦しい人生が続いているという人は、自分は自己実現のために真面目に頑張っているのか、それとも不安や恐れから身を守るための鎧を身につけるために真面目に頑張っているのか、真剣に考えてみる必要があると思ってます。
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