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なぜ、スイカ割りはアドバイスする人が多いほど成功しないのか?

例えばこれまで経験したことがないような事態に直面した際、その解決に「情報」が必要なのは言うまでもありませんが、「質」とともに「量」も重要な要素となるのもまた事実です。では、何をもって「適切な情報量」とすべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、「スイカ割りの必勝法」を例に取り示唆に富んだアドバイスを記しています。

聞き入れること

去年は我が家育ちのスイカを食べた倉橋竜哉です^^;

「スイカ割りの必勝法を教えてあげようか?」と近くにいた男の子に話しかけていたのは、数年前のことでして…もう30年近く前のことになりますが、生まれて初めてスイカ割りをしました。男3人で海に行って、クーラーボックスにスイカを入れてきた友人がいて、なんかその場のノリで「スイカ割りしようぜ」みたいな話になって、浜辺に落ちていた棒を拾ってきて、タオルで目隠しをしまして、10回ぐるぐる回って「もっと右!」「あと2歩前!」とか言われて、棒を振り下ろしてスイカを叩くわけです。

私がトップバッターだったのですが、いきなりスイカの芯を捉えてしまったらしく、一撃でキレイに割れてしまいました…。声の誘導のおかげで、特に迷うことなく棒を振り下ろすことができました。こんなあっさり終わってしまうとは思っておらず、他の2人は不満そうでしたが、一撃必殺で割った私は、大満足でした(笑)。

それから10年ぐらいしまして、20人ぐらいで海に行った時に、またスイカ割りをすることになりまして、同じように始まったのですが、私が最初にやってしまうと、また一撃で割れてしまって、みんなつまらないだろうなと思いまして遠慮して、みなの様子を見ておりました。

「もっと左!」「3歩前!」「2時の方向!」

参加者が多い分、いろんな声がかかります。ところが誰もスイカを割れません。惜しいところまで行く人もいましたが、少しかするだけでスイカは割れませんでした。

誰も割れない中で「仕方ない、オレの出番か…」と思いまして、いよいよスイカ割り十割打者の私が登場です(1回しかやってないけど)。前回、特に苦労せずあっさり割れたので、今回もそうなるだろうと思っていたのですが、「もっと右!」「5歩先!」「少し右むいて!」とか、20人近くのいろんな声を聞いていたら、混乱してきまして、たぶんココだろうと思って棒を振り下ろしたら…全く違うところで地面を叩いていました。ボスっと棒が砂に刺さる音がしました。「最後にオレが決め手やる」みたいなていで出ていったので、恥ずかしかったですね(汗)。

さらにこの話は続くのですが、それから数年が経ちまして、またスイカ割りの機会がありまして、その時は30~40人ぐらいの参加者がいました。基本的に大人は声援を送るだけで、子どもたちがチャレンジしていました。多くの声に混乱してしまうせいか、正反対に歩き出す子もいましたね。

たまたま近くにいた、順番待ちの男の子に「スイカ割りの必勝法を教えてあげようか?」と言ったところ、興味津々で「教えて!」と聞いてきたので、こんなことを伝えました。

「みんなが、あっちいけ、こっちいけと言うけれど他は無視して、誰か一人だけの声を聞いたらいいよ」

「おじさんありがとう、やってみる!」

と笑顔で言われ、ああおじさんか…お兄さんじゃないんだ、とちょっと凹みつつ、彼を送り出しました。彼の番が来て、目隠しをして10回ぐるぐる回ってよろけながらも立ちまして、しばらくの間、まったく歩きませんでした。どうしたのかな…と思って、周りの声援はどんどん大きくなります。

30秒ほどして、少し方向を変えてから歩きはじめまして、スイカの前でピッタリと止まって、棒を振り下ろしました。その棒がプラスチックのおもちゃのバットだったせいもあり、残念ながら割れなかったのですが、見事にスイカの真ん中を捉えて、ボーンといういい音がしました。目隠しをとって、こっちに軽く手を振ってくれたのがちょっと嬉しかったですね。

後で彼から聞いた話ですが、最初、しばらく動かなかったのは「誰の声を聞こうか選んでいたから」だったそうです。おじさん(私)の声が聞こえたから、それに従おうと決めて動き始めたとのこと。結局スイカは割られることなく、包丁でキレイに切り分けられまして、たいして冷えていないスイカでしたが、美味しくいただきました^^

スイカ割りに限らずですが、未経験の事態に直面してしまい、まるで目隠しをされたような状況で、暗中模索の手探りで解決策を探すことってあると思います。ありがたいことに「こうしろ」「ああしろ」と周りからアドバイスがもらえることもありますが、アドバイスが多すぎて、むしろ混乱してしまい足がすくんで動けなくなってしまったり、変な方に向かってしまうことはないでしょうか?

先が見えない時、情報収集をすることは、もちろん大切ではありますが、それが過ぎると、結局何をどうしていいのかわからなくなることもあります。正しい情報を手に入れることが大切なことはもちろんですが、「適切な情報量」もまた大切であります。

これをお読みのあなたは、情報量が多すぎてむしろ困惑したことはないでしょうか?どれぐらいが「適切な情報量」でしょうか?

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「どれぐらい聞けばいいですか?」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 倉橋 竜哉(日本マイブレス協会) 【発行周期】 毎朝コツコツお届けします

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