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「このタスクは何のためにある?」を考える人はなぜ出世するのか

アルバイトから正社員に登用されたり、非正規から正規雇用の地位を勝ち取る人と、ずっとアルバイトや非正規のままの人とでは、どこがどう違うものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ』では著者の佐藤しょ~おんさんが、自身の体験をもとに、正社員への道を開く極意を伝授しています。

仕事は御用聞きから

私は派遣やアルバイトの時代が長かったわけですが、そうすると頻繁に仕事の内容が変わるんですね。昨日までお客さんの相手をしていたのが、今度のバイトでは倉庫に籠もりっきりとか、夕方までは測定器とにらめっこをする仕事をしていたのに、夜の派遣ではひたすら書類書きとか。

だから自分で言うのもなんですが、新しい仕事、業務に対する受容性とか、物覚えの早さにはそこそこ自信があるんです。で、今日はそうなれた過程について解説してみようと思います。

実は仕事って最初は御用聞きのつもりでやるのが良いんですよ。そのアルバイトを始めたばかりの頃って、当然ですが一番仕事ができないわけで、何をどうやったら良いのかも分からないわけですよね。だからほとんどのケースでは、マニュアルがあったり、口伝で仕事の仕方を教えてもらったりするわけです。

ダメなアルバイト、使えないバイト、決して社員に登用されないバイト君って、この言われたことをやるのが仕事だと思っているんです。

え? 当たり前だろうって? それだとあなたも使えないアルバイト君になっちゃいますよ。

アルバイトで雇われて最初に教えられる業務なんてのは、それこそ誰にだって必ずできる、最もレベルの低い仕事なんですよ。そんな仕事がゴールのわけがないんですよ。これは最初のドアをひとつだけ開けたってだけのことでね。早く次のドアも開けなきゃならないの。このドアを何枚、正確に早く開けられるかであなたの評価が決まるわけですから。

そうなるために最も効率が良いやり方が、御用聞きなわけですよ。御用聞きとはつまり、与えられた最初の仕事を完了させたらすかさず、

と訊くということです。

大事なポイントは、あなたの方から言い出すということです。順序が逆だと、つまり、

みたいなことを言われたら、あなたは使えないバイト確定ですからね。

言われたことを相手が想定している時間軸よりも早く、確実に終わらせて、その上で、次に何をしたら良いのか?を訊くと、「コイツはなかなか使えそうだぞ」と思ってもらえます。これを仕事をやり始めた初日にやる。これだけで、次の日からなんとなくあなたが注目されるようになりますから。

おまけにこれをやると、相手は次から次へと仕事を教えてくれます。しかもこちらの方から御用聞きをしているという姿勢が、仕事に対する前向きな姿勢だと受け取られて、エコヒイキしながら教えているよ、という感じがする教え方になるんです。

私は30数年前にマクドナルドでバイトをしたんですが、その時もそんな感じで、1週間でブレックファーストと通常メニュー全てのオペレーションを覚えましたから。

そういう感じで仕事をすると、その部署の業務の有機的な繋がりに目が行くんですね。というか、そこに意識を向けるんです。これが次の極意。ここは次回解説します。

タスクの裏にある狙いを理解する

前回は御用聞きをするつもりで仕事をやると、先輩もしくは上司にエコヒイキをされるよという話をしたんですが、そうやって担当する部署の個々の業務(タスクとか作業レベルの仕事ね)を覚えながら、同時に

ということに想いを馳せるのです。

作業には、それをやらなきゃならない理由があるんですよね。この仕事を作った、手順を設計した人がどういう意図を持ってこれを業務にしたのか?を知ろうとするんです。

そうするとその仕事の意義が見えて来るんですね。アルバイトや派遣でこの目線を持っている人が、将来リーダーとか社員への登用って話をもらえるんです。

仕事をタダの作業だと考えている人と、その仕事を設計、制定した人の意図を理解した上でやっている人とでは、仕事の見え方が異なるというか、次元が違ってくるのは当たり前ですよね。後者の感覚があるから、業務改善ができるわけです。

逆に言えば、それを理解している人を重用すると、生産性や業績が上がったりするわけです。これは私が後に正社員になって、部下を持ってから必ずやったことです。新しい会社、新しい部署に管理職としてアサインされ、ここはどんな仕事をしているのかな?と業務の理解をする時に、主だった人にインタビューをするわけです。その時に、リーダー格、古株なのにこの目線を持っていない人は、すぐに排除するか、使えない人というラベルを貼って、逆にこの目線を持っているのに、下層の業務しかやらせてもらっていない人が見つかったら、すぐにエコヒイキリストに入れて様子を見るわけです。

なぜここが大事なのかというと、仕事の意図を理解できる人には、抽象的な指示で話が済むからです。逆にこの目線を持っていない人には、仕事の指示を具体的にしなきゃならないんです。

仕事をタダの作業だと考えている人には、作業としての手順書を伝えて、できるようになるまでトレーニングをさせなきゃなりません。そしてこれは次の業務をでも同じで、毎回毎回ステップ1はこれをやる、次にステップ2ではこうする、と言わなきゃ動けないんです。

ところが意図を理解できる人には、意図だけを伝えれば良いから話が早いんです。そしてそこに権限と責任を付与してあげると、自分で最も良さげな作業手順を考え出すんですね。管理者としてはこっちの方がはるかにラクでしょ。私が作業手順書を書かなくても良いんですから。

仕事って役職が上がるほど、上からの要求は抽象的になるんですよ。最も抽象的な指示は社長のところに来るんですね。それはたった一言、「業績を上げろ」ですから。株主からこれを言われるわけです。その指示に手順書なんて無いんですよ、当たり前ですが。

社長ほど極端じゃなくても、

 売り上げをもっと伸ばして
 ▼ 不良率をもっと下げて
 原価を低くして、品質を上げて
 顧客満足度をもっと上げて
 残業を減らして生産性を高めて

なんて指示が部門長には来るわけですよ。これってそれぞれの業務が有機的にどう繋がっているのかを理解していないと、何をどうしたらそういう結果を手に入れられるのかを設計できないんです。作業手順を丸暗記しても、この指示には無力なんですね。

業務の裏に存在する意図を理解するということは、具体的作業から抽象的な目的、目標を理解するということで、それができるから逆の流れである抽象具体的な手順を考えることができるんです。

そこに目線がスッと移動できるということは、仕事に対する感度が高いということで、だからエコヒイキされるんです。私がアルバイト時代にやたらと、社員にならないか?ってお誘いを受けたのは、こういうセンスがあったからなんですね。

今、非正規で働いている人は、ここを意識して仕事をすると、正社員への登用があるかも知れませんよ。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤しょ~おん 【発行周期】 平日刊

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