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OB訪問アプリ悪用、就活女子大生のカラダを狙う「リクルート脳」の歪んだ欲望

スマートフォンの「OB訪問アプリ」を通じて誘い出した就職活動中の女子大生に睡眠薬を飲ませて乱暴した疑いで、警視庁はリクルートコミュニケーションズ社員の丸田憲司朗容疑者(30)を再逮捕したと読売新聞などが報じている。OB訪問で女子学生が性的暴行を受ける事件が後を絶たず、複数の就活生が被害に遭う実態が明らかになった。

リクルート系社員が女子就活生に性的暴行

丸田容疑者は就活アプリ「Matcher」に出身大学を偽って登録し、就活の相談に来た女子大生に睡眠作用のある薬を混ぜた酒を飲ませて抵抗できない状態にし、乱暴した疑いがもたれている。

丸田容疑者は別の準強制性交容疑ですでに逮捕されており、警視庁はほかにも余罪が多数あるとみて調べを続けている。

なぜ就活生がOB訪問で性的暴行を受ける事件が毎年のように起きるのか。しかも、犯行に及ぶのはほとんどが大手企業に勤める社員であり、そこには就職活動におけるOB訪問の闇があるようだ。

今や就活生にとって、OB訪問は必須とされている。同じ大学出身の先輩社員を訪ね、自らを売り込むことは内定に近づくと考えられており、企業側も重要視している。

一般的なOB訪問では、企業の昼休憩などにカフェや企業の食堂等で1対1で会って話すことが多い。最近ではOB訪問のアプリも複数存在し、誰でも気軽に接点を持つことが可能になった。しかし、それを悪用し、就活生に近づいてくる人間が少なからずいるのだ。

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丸田容疑者は出身大学を偽って登録し、最初から女子学生を狙っていたことは明らか。

人材輩出企業とも言われているリクルートは、一風変わったマネジメントで特徴的な人物を育て上げることで知られているが、自分を優秀だと思ってしまう人間が多いという。リクルート系社員である丸田容疑者も自分は「イケてる」と勘違いをし、犯行に及んでしまったのか。もちろんそんなことが許されるわけがない。

大手企業に就職したいという学生の弱みにつけ込んだ、悪質な犯行である。

住友商事、大林組でもあった性的暴行事件

2019年3月には大手商社住友商事の元社員が、OB訪問を受けた女子大学生を泥酔させた上、宿泊先に侵入して性的暴行を加えたとして、準強制性交と窃盗などの疑いで逮捕されている。

逮捕された三好琢也被告(当時24)は慶応大学卒業後に住友商事に入社。同僚経由で20代の女子大学生からOB訪問したいとの話があり、居酒屋で食事を共にしたという。

そこで三好被告は酒の一気飲みなどを強要。女子大学生が断れないことをいいことに泥酔させ、抵抗ができない状態にした。

女子大学生が予約していたホテルの部屋に送り届けた際に部屋のカードキーを盗み、いったん立ち去った後、このキーを使って部屋に侵入し、性的暴行を加えた。

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住友商事は事件直後に女子大学生からの連絡を受けて事態を把握し、三好被告は懲戒免職となっている。

また、大手ゼネコンの大林組の元社員も同様の事件で2019年2月に逮捕されている。元社員はOB訪問アプリを通じて知り合った20代の女子大学生を就活についてアドバイスすると呼び出し、資料をパソコンで見せると自宅へ連れ込み、わいせつな行為に及んでいた。

こうしたケースが事件として表に出るのは氷山の一角とみられ、多くの被害者が泣き寝入りしているのが実態。現役社員という強い立場を利用する就活セクハラは、卑劣で許すことができない犯罪だ。

OB訪問は憧れの企業に入社するパスポート

OB訪問は就活生にとっては直接社員と触れ合うことができ、企業側にとっても優秀な学生にアプローチできるWin-Winな仕組みだと言われている。しかし、現実的な立場は圧倒的に企業側が強い。にもかかわらず、なぜ就活生はリスクに目を背け、OB訪問にここまで躍起になるのか。

学生にとっては、「OB訪問した数が面接の時にアピールになる」「みんなやっているから、自分もやらないわけにはいかない」「OB訪問しないと採用してもらえないのでは」といった声が聞こえてくる。

一方で、OB訪問した際にセクハラを受けたという女子学生は多数いる。都内の有名大学に通うNさんはその被害を次のように話す。

「アプリを利用して会ったOBと一度食事をしました。最初は普通に会社の話をしてくれましたが、だんだんお酒が入ってくると、『俺は人事にも顔が利くから』と言われ体を触られました。拒否したいけど、これで就活が失敗するのが怖くて受け入れてしまいました」

要求はさらにエスカレートし、家に来ないかと誘われたという。

「終電を理由にその場は何とか切り抜けましたが、その後もLINEでしつこく誘われるようになりました。自分の立場が強いことを利用するなんて許せません。でも、これを会社に訴えてしまうと採用されることは絶対になくなってしまうので…どうにもできない状態です」(前出・Nさん)

女子学生を悩ます就活セクハラ。性的被害に遭うリスクがあるOB訪問は本当に必要なことなのだろうか。

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OB訪問で被害に遭わないための注意点

もちろんOB訪問を悪用しようとする社員ばかりではない。ごく一部の卑劣な社員によって、就活生と企業側の重要な接点となる場がなくなってしまっては何の意味もない。

では、OB訪問する際にどのような点に気をつければ良いのだろうか。ポイントはいくつかある。

ポイント①「夜に絶対会わない」

大手企業に勤める社員は基本的に忙しい。空いている時間となると、どうしても夜になってしまいがち。しかしそれでは良からぬ方向に進んでしまう可能性がある。

OBと会うのは昼休みなど、日中でアポイントを取るのがおすすめ。昼食を一緒にする、カフェなどでお茶を飲むくらいに抑えたほうが良いだろう。

OB訪問での昨今の不祥事を受け、就活生と夜に会うことを禁止している企業もある。にもかかわらず、「お酒でも飲もう」と誘ってくる社員がいたら要注意だ。

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ポイント②「OBなら誰でも良いというわけではない」

就活生にとって憧れの企業に勤めていると聞けば、「お話を聞かせてください」とお願いしがち。しかし、社員だからといって誰でも会えば良いというものではない。

その会社でどんな仕事をしているのか、どこの部署の人間なのかまできちんと調べることが重要。OB訪問で大切なのは人数ではない。その見極めがポイントとなる。

就活生がOB訪問を希望するような会社は基本的にはどこも大手。大企業であればあるほど、OB訪問に関してきちんとしたルールを設けている。それを逸脱してまで会おうとする社員には下心があると考えていい。そんな社員との約束をキャンセルしても、就活生側にマイナスとなることはないので、焦る必要は全くないのだ。

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