大阪の繁華街・十三にあるユニーク極まりない「シュークリームBar」なるお店が話題となっています。ウリは肉じゃがやポテトサラダが入った「惣菜シュークリーム」とのことなのですが、なぜそのような一風変わった商品を売るお店が人気を集めているのでしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、同店への商業施設からの出店依頼が引きも切らない理由を紹介しています。
シュークリームおじさんの行くところに、子供たちの笑顔がある!
大阪・十三(じゅうそう)に、「シュークリームbar」というお店があります。
新しいカタチのシュークリーム専門店なのか。それとも、シュークリームを肴にお酒を飲む、若干変態的酒場なのか。
答えは、後者。
オープンのきっかけは、ひとりのおじさんが趣味で作り始めたシュークリームを売るため。しかし、普通のシュークリームではありませんでした。スイーツとしてのシュークリームに限定せず、惣菜として食べられるシュークリームを考えたのです。
発想が柔軟と言うべきか、無謀なチャレンジと言うべきか。
惣菜シュークリームとしては、「肉じゃがシュー」「ブタシュー」「ポテトサラダシュー」「エビアボカドシュー」など、お酒に合うシュークリームを考案し、夜だけ営業のberで提供しました。惣菜シューのインパクトは強烈で、たちまち話題となり、何度かテレビで取り上げられるように。
スイーツであるはずのシュークリームを惣菜にしてしまったことは、非常にユニークで面白いアイデアです。しかし、注目されたのはそれだけではありません。このシュークリームは、グルテンフリーなのです。つまり、小麦粉を使っていません。しかも、バターや牛乳などの乳製品も一切使わず。生地は米粉を使い、中のクリームは豆乳を使用。すなわち、ベジタリアンやヴィーガンでも食べられるのです。
さらに、お店には小麦粉を持ち込まないようにしているので、小麦粉アレルギーの人にも食べてもらえます。Berの料理もグルテンフリー。ビールやワインなどのお酒もグルテンフリーのものを。グルテンフリーを徹底しているのです。
しかし、話題性はあったものの、Berとしての営業だけでは収益確保は難しいようで、近隣のイベント出店を行うように。以後、百貨店や駅ビルなどの商業施設からの出店依頼が来るようになり、いまではそちらがメインとなっています。グルテンフリーのシュークリームは、注目度が高く、集客効果が見込めるからです。シュークリームを食べたくても、食べられない人。小麦粉や乳製品アレルギーの人に人気が出たのです。
特に子どもたちを喜ばせる商品となりました。食べたくて仕方がなかったシュークリームが食べられるのです。これほど、子どもたちを笑顔にする出来事が、他にあるでしょうか。また、グルテンフリーの米粉パンも作っているので、やはり大人気となっています。いろんな場所に出店することで、子どもたちの近くに行くことができます。いま流行っている「マリトッツォ」にもチャレンジし、笑顔の数を増やしています。
シュークリームが好きだ、という理由で作り始めたひとりのおじさんが、アレルギーの子どもたちを笑顔にする“活動”を続けているのです。シュークリームのカタチをした帽子を被り、さまざまな場所で、今日もシュークリームを販売しています。
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