日本企業でも年功序列ではないところが増えてきていますが、出世を重ねていくと、その途中で“年上の部下”ができてきます。やりにくいと感じる人が多いかもしれませんが、そうは言ってられませんよね。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、そんな悩みを抱える人のために、年上の部下との上手な付き合い方を教えてくれます。
年上部下との付き合い方
順調に出世を重ねると、必ずどこかで自分よりも年上の部下と仕事をすることになります。特に外資だと年功序列という概念が弱いので、課長クラスあたりで年上の部下ができたりします。
この関係がやりづらいと悩む人がいるみたいなので、今回はこのテーマで書いてみようと思います。
上司が年下、部下が年上というのは、部下にとってもやりにくいんですよ。自分よりも年下なのに、役職は上なわけで、腹が立ったりやっかんだりという感情が立ち上がりそうになるんですね。もちろんそれは非常識だと分かっているわけですが、釈然としないモノが残るのは仕方ありません。
そんな時に、年下の上司が、タメ口または命令口調で、
■ ○○をやってもらわなきゃ困るんだから、早くしろよ
みたいな言い方をしたら、誰だってムカッと来ますよね。
心証的には、年上の部下の人の方が、可哀想な存在だということに気が付かないとならないのです。
上司が年下で、自分よりも高い給料をもらって、おまけに権限まで大きいという腹立たしい状態で、そこに加えてタメ口を叩かれたら怒りの感情を持ちたくなるのは当たり前ですよね。
ですからこの場合は上司の方が、部下に気を遣うのが正しい在り方なのです。
役職というのは会社が与えた機能であって、仕事上でだけ発動されるモノ。それ以外のことでは長幼の序をわきまえて、年上の人を立てるということを、かなり強く意識して振る舞うべきなんです。
そうすることで、年上の部下の方は、釈然としない想いが和らいでいきます。その結果、公の場でも年下の上司を敬うということが自然にできる気持ちになっていくんです。
ですから私は、年下の部下ほど口の利き方には注意をして、常に相手に敬語で話すようにしていました。しかし仕事としてやってもらわなきゃいけないことは引きません。丁寧な口調で話しますけど、内容については、
● これは仕事なので、やって頂く以外の選択肢は無いです
ということをハッキリ伝えるのです。ここで毅然とした態度を取れないと、今度は部下の方があなたを舐めるようになるのです。年上としてリスペクトすることと、仕事でやらせるべきことを引いてしまうのは、全く別の話ですから。リスペクトはするけど、仕事は仕事。本人がイヤがるような内容でも、
● 仕事ですから、これはもう仕方ないですよね
と言わなきゃいけません。もちろんあからさまに業務命令だとは言いませんよ。でもこちらは一歩も引きませんよということを、態度で相手に分からせる必要があるんです。
これは最初の一回目が重要で、最初にパシッとやると次からはグズグズ言うことはありませんから。
この2点を意識するだけで、相手が常識があるのなら、揉めたり、関係が悪くなったりすることはなくなるはずです。
そしてそのような業務命令的なことをお願いした後には、自分はあくまでも会社の機能として、組織として成果を出すために、あなたにあのようなことをお願いしているわけで、そこには、私の私心は混じっていないのですということを、説明できたら完璧です。
そう思ってもらうためには普段から、年上の相手をリスペクトしているという態度が必要になるのです。
ビジネスを進めるために、会社が私にそのような権限を付与していて、それを私は成果を出すために適宜使っているだけで、それ以上でも以下でも無いのですということを理解してもらえたら、次回からはグズグズ言わずに仕事をしてくれるはずなんですよ。相手に常識があれば。
もちろん、相手の人格が低い場合にはそうならないケースもありますよ。それでも同じシーンでは毎回同じ態度で、同じことを言い続けなきゃならないのです。決してあなたが日和ってはいけないのです。これが年上の部下と仕事をする時の鉄則なんじゃないですかね。
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