MAG2 NEWS MENU

儲けると儲かるはまったく違う。売上ばかり気にする経営者が必ず失敗するワケ

多くの経営者が「儲けたい」「売上を伸ばしたい」と思うことは至極当然のこと。しかし、目先の売上ばかりを追っているようでは成功することは難しいといいます。無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんは、「真っ先に売上を伸ばす方法論を求めてくる人」は結局、売上を伸ばせないと断言。そこには根本的な間違いがあると指摘します。

「売上を伸ばす」「儲ける」という発想を捨てる

「どうすれば売上は伸びるのか?」というアプローチで相談をしてくる人の多くは、売上を伸ばす方法論を求めてきます。

ですが、私はそれに応えることはありません。売上を伸ばす方法なんてないし、知らないからです。

と、こんな身も蓋もないことをいうと、「いやっ、プロモショーンを仕掛けるとか、成約を伸ばすための仕組みを作るとか、いろいろあるじゃないですか」みたいな反論をしたくなるかも知れませんが、そういうことを真っ先に考えているうちは、上手く行きません。

売上を伸ばしたいのであれば、その方法論を求める前に真っ先にしなければならないことがあります。

それは「売上を伸ばすには?」という発想を捨てることです。

どの業界でもお客さんが商品を購入したりサービスやお店を利用することで売上が成り立つのが原則です。

ということは「売上を伸ばす」のではなくお客さんが購入してくれて、「結果として売上が伸びた」という発想やイメージからプロモショーンや仕組みを考え構築していかないといけないということです。

つまり、自社視点からお客さん視点に180度転換しなくてはなりません。

そうやって考えていくと、「お客さんにとって商品やサービスはどうか?」「お客さんにとってこのプロモーションはどうか?」という判断から始まり、取り組むべき原点に発想が変わっていきます。

「そんなこといっていたら、売上なんて期待できない」「そんな綺麗ごとでスグに儲けることは出来ない」とまたまた反論したくなるかもしれないですが、その自社都合、自己都合の考えでいるといつまで経っても売上が伸び、儲かることはありません。

私は下記のように「儲ける」と「儲かる」をそれぞれ定義しています。

・儲ける:利己主義(儲けに走るイメージ)、
・儲かる:他利主義(お客さんから指示され結果、儲かったというイメージ)

自転車操業ではなく事業を安定的且つ継続していくには“儲ける”より、“儲かる”必要があるのです。

そして、事業安定継続のために結果を出し続けるには「お客さんにとってどうか?」という発想や思考が原点になければなりません。

「手っ取り早く儲かることをやりたい」なんて考えてること自体、商売、ビジネスではナンセンスですし、そういうところにばかり目や意識が行きだすことで何をやっても儲からなくなった。

なんて人もたくさん見てきました。

「お客さんにとってどうか?」を軸に考え行動を繰り返していくことで儲かる、つまり、結果的に売上が伸びていくのです。

普通に考えたらわかる筈です。お客さんは自分のことを分かってくれていたり、自分のためにある商品やサービス、あるいは人に対してお金を払うのですから。

というと今度は「いやっ、うちはちゃんとお客様のことを考えて商売やってます、でも儲かりません」などと、またまた反論したくなる人が出てくるかも知れません。

たとえば、「うちはお客さんに商品を手にしてもらいやすくするために赤字覚悟で値段を下げてます。他社よりかなりお客さんにとってはリーズナブルです。でも、そのおかげで利益がほとんど出ません」みたいな場合。そういった場合は「お客さんにとってどうか?」という判断を見誤っています。

確かにお客さんが安く良いモノを手に出来るのであればお客さんも喜んでくれるでしょう。

ですが、それで利益を損ねているのなら、それはお客さんにとっても大きな問題なのです。

どういうことかというと、安売りをしまくり、結果、利益が出ず、商売をすればするほど苦しくなると当然、廃業・倒産に追い込まれます。

そうなると、どうですか?その商品やサービスを楽しみにしていたお客さんはもう手にすることができなくなるのです。

つまり、この場合、赤字覚悟で安売りをするということは、お客さんのためになっていないのです。お客さんにとって赤字覚悟の安売りをすることは、お客さんにとって、マイナスにしかならないのです。

結局、売上を伸ばすためのプロモショーンがどうだとか、他社より1円でも安く売って顧客を囲い込むとか、成約を伸ばすための仕組み構築とかなんとかっていうのは、販売している事業者側の都合なのです。

「事業を1年でも長く継続的且つ安定的に全うにしていきたい」「正しく商売、ビジネスをやって発展していきたい」「うちの商品、サービスをお客さんにちゃんと届け、手にしてもらいたい」というのであれば、なにをするにしても「お客さんにとってどうか?」を軸にして考え、判断し行動しましょう。

その結果、儲けるのではなく、「儲かる形」ができてくるのです。

■今日のまとめ

「お客さんにとってどうか。を軸に考え判断し行動する」

・自社、自店のお客さんにとって自分達のサービス、商品構成や価格などはどのような存在であるか?考えノートにまとめる
・現在のマーケティングや営業活動において「お客さんにとってどうか。」と判断した場合、適正な活動や取り組みが出来ているか?話し合う

image by: Shutterstock.com

中久保 浩平この著者の記事一覧

当メルマガでは、常に営業・マーケティングの本質部分に迫ります。小手先のテクニックを求める方、向上心の無い方、行動力の無い方は、時間の無駄になってしまいますので、絶対に登録しないで下さい。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ビジネス真実践 』

【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け