今夏の参院選挙に向けてさまざまな動きが出てきた永田町周辺だが、中でもマスコミや国民を驚かせたのが、野党「国民民主党」(代表:玉木雄一郎)の新年度当初予算案「賛成」の一幕だろう。一体、何が裏で起きているのだろうか。
去る22日、予算案が衆院を通過した。かつての政権与党である「民主党」から「立憲民主党」と別れる形で誕生した「国民民主」だが、野党が政府・与党の予算案に賛成を表明するのは異例中の異例だ。一部では、自民党に合流し、自公連立に加わろうとしているのではと囁かれているが、これもあながち嘘だとは言えないのではないか。
同日夕方、御礼を述べに国民民主の控室を訪れた岸田首相と玉木代表がひじタッチをしてみせるパフォーマンスを報道陣の前で披露したが、この様子にア然とした野党関係者、野党支持者も多かったことだろう。
野党の一線越えた国民民主、予算案に賛成の舞台裏 首相と直接協議もhttps://t.co/p0yHl8D2Y0 #国民 #岸田政権 #立憲
国民民主党が新年度当初予算案に賛成した。玉木雄一郎代表は「対決より解決」を掲げ、与野党問わずに政策実現を目指す姿勢をアピールするが、政策が実現するかは不透明だ。
— 朝日新聞名古屋編集局 (@asahi_nagoya) February 22, 2022
国民民主側が予算案の「賛成理由」としてあげるのは、ガソリンの価格が高騰してしまった際に減税ができるという「トリガー条項」の凍結解除だが、岸田首相は「検討」と口にしている段階であり、これを賛成理由にするのは無理がある。国民民主が昨秋の衆院選でも公約に掲げていた「トリガー条項」が凍結解除されなかった場合、国民民主が「賛成」に回ったことはマイナスに働く可能性もある。
同日、玉木代表はこの件について岸田首相と直接電話協議したことを明かしているが、その裏には別の「口約束」があったと考えるのが普通だろう。それは、予算案に賛成を表明すれば、連立与党に迎え入れる、もしくは自民党に吸収される形か、いずれかの方法による「与党入り」ではないだろうか。「トリガー条項」云々は、そのことを煙に巻くためのカムフラージュととらえることもできる。
今回の「野党の予算賛成」の一件を、今まで与党に一番近い野党と言われてきた日本維新の会はどう見ているのだろうか。いや、おそらく与党に近いと言われる維新でさえ「予算案に賛成」を表明することはリスキーと考えているだろう。24日、維新の松井一郎大阪市長は定例会見の後で、記者からの「国民民主の予算案賛成をどう思うか」という問いに答え、「(賛成するということは)玉木さんも連立入りを目指しているということだなということがひしひしと伝わってきた」と述べた。
維新代表、国民民主と連携困難
日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は、国民民主党が2022年度予算案に賛成したことについて「玉木雄一郎代表が連立を目指していることがひしひしと伝わってきた。われわれは国民民主党との連携は非常に難しい状況だ」と述べました。 https://t.co/u5wkCtijcG
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) February 24, 2022
維新と国民民主は連携すると見られていたが、今回の異例の賛成を受けて、松井氏はその可能性を否定。もしかすると維新には「国民民主に抜け駆けされた!」という思いもあったのかもしれないが、今や立憲民主党を超えて野党で一番の政党支持率を誇る維新としては、まさか自公政権に合流したかったなどとは口にもできず、「(維新は)今の野党をピリッとさせる野党だ」(松井氏)と答えるしかないだろう。
今回の国民民主の「予算案賛成」について、ネット上には疑問の声や失望の声、裏の意図を深読みする声などがあがっている。
Twitterの反応
野党の一線越えた国民民主、予算案に賛成の舞台裏 首相と直接協議も
2012年の民主党政権崩壊から続く日本政治の流動性が新たな次元に入ったことを示す。
国民は、立憲内で主導権を握ることに失敗、維新も勢いあり、埋没し政党での存続が不可能になることを考慮 https://t.co/hEx3wn47Hy— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) February 23, 2022
玉木代表は「政策実現」をアピールするが、岸田首相は「検討」としか口にしていない。対立憲で主導権を握れず、維新には水をあけられ、都民ファとの連携も集票が見込めず、自民に擦り寄った。
これで参院選を前に「野党分断」は確実に進む。与党からは歓迎の声が上がっているhttps://t.co/QJddQWwm0N— 盛田隆二Morita Ryuji (@product1954) February 23, 2022
「これからよろしく」か→野党の一線越えた国民民主、予算案に賛成の舞台裏 首相と直接協議も:朝日新聞デジタル https://t.co/qzSPI7g8vy 予算案が衆院を通過した22日夕、国民民主の国会控室で審議へのお礼を述べて立ち去ろうとした岸田文雄首相に玉木氏が声をかけた。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) February 22, 2022
国民民主党が政府予算案に賛成したのには驚きました。ただしこれは「べき」論で語っても詮ないこと。これで玉木代表の党内求心力が高まるのか、その姿勢を参院選で有権者が支持するのか。答えは風に吹かれている?https://t.co/0qdKYeerrs #国民 #岸田政権 #立憲
— 野沢哲也 (朝日新聞 編集局長補佐) (@tomo_sumi_tetsu) February 23, 2022
菅さんと松井さんの蜜月をよく知っていたから菅政権時代に維新の幹部に本予算に賛成しないなか⁉️と尋ねたら、今ちゃん、いくらなんでもそれはない、俺たちだって野党だ、それやったら終わりだよ、と言い返された。玉木の国民民主終了です、もはや存在に意味なし❗️ https://t.co/qAKMZltlU4
— 今野忍 (@shinobukonno) February 23, 2022
玉木氏がいる政党は常に彼の個人的思惑に振り回されてきた。ついに野党の一線越えた国民民主。前原氏は体調不良を理由に採決を欠席していることからこの党も一枚岩ではないが、野党としての存在意義はなくなった。https://t.co/fzIYNgXbLQ
— AKIRA HIRAISHI (@orientis312) February 23, 2022
これでトリガー条項凍結解除が行われるかどうかがポイントだろうな。
野党の一線越えた国民民主、予算案に賛成の舞台裏 首相と直接協議も:朝日新聞デジタル https://t.co/2hUVp1vOVP #国民 #岸田政権 #立憲— He100V8の皮をかぶったダメ人間 (@Heinkel100) February 23, 2022
もう一匹、小判鮫が現れたということかな
(ヾノ・ω・`)イラナイ野党の一線越えた国民民主、予算案に賛成の舞台裏 首相と直接協議も [国民] [岸田政権] [立憲]:朝日新聞デジタル https://t.co/pD55hM9mod
— JUNGON (@mailbox1972) February 23, 2022
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image by: 玉木雄一郎(国民民主党代表)公式Twitter