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40代ひとりっ子未婚女性「両親の介護が不安」と相談。解決方法はある?

40代も後半に差し掛かってくると、老いていく両親を介護する日が近づいてきていると感じることがあるもの。一人っ子で独身となると、親の介護の心配はさらに大きくなります。不安を抱えた読者からの相談に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤かおるさん。「漠然とした不安」と戦っていてもムダで、支援センターから情報を得ることや、経験者に話を聞くことなど、具体的で現実的な準備を進めることが必要と伝えます。

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ちょっと御相談がありまして:「老親の介護への不安」

Q. 40代、女性会社員です。両親はともに70代です。ひとりっ子で、両親からは大切に育てられたと思います。父は典型的な昭和のサラリーマンで、母は専業主婦でした。今も私は独身で両親と暮らしていますし、今のところ両親とも自活できていますが、これから先、どちらかが、いえ、どちらも病気になったり介護が必要になったりということが、近い将来出てくると思います。それが怖くてたまらないのです。

父や母の兄弟姉妹は遠方に住んでいます。いとこたちも近所にはいません。なにかあったら、私は仕事をやめなくてはいけないのか、一人で両親の介護を一身に背負わなければならないのか。

私が高校生の頃、母は姑である父方の祖母が認知症になったときの世話を一人でしていて、大変な苦労をしているのを見て育ちました。仕事を持っている自分があんなことは出来ない、どうしよう、と、ことあるごとに不安が押し寄せてきます。親の世話をしたくないわけではありませんが、とにかく不安なのです。どうすればいいのでしょうか?

【永藤より愛をこめて】

そうですか。お母様が、おばあ様の介護をワンオペでされていたのを見ていらしたのですね。そして「あんなこと出来ない」と不安になってしまう。そのおばあ様の介護は今40代の投稿者さんが高校生の頃、ということは、25~30年くらい前のことでしょうか?

個人的な話で恐縮ですが、私の実家でも母が舅、姑、小姑、そして最終的には夫である私の父の介護をしました。舅の介護は昭和、そして、残りの3人が平成でしたが、その途中で「介護保険法」というものが制定され、改正され、介護についてとりあえず駆け込み寺のように相談できる「地域包括支援センター」というものができました。

私の祖父であり、母にとっては舅の介護の時は、あっという間に認知症が進んでしまったこともあり、どこで何が相談できるのかもわからないまま、とにかく家族は五里霧中、体力勝負だったことを覚えています。

でも、今は高齢者に関する相談事は、「地域包括支援センター」があります。ご自身の地域のセンターを検索してみてください。そして、どんなことが相談できるのか、こんなときあんなときどうすればいいのか、まずアップデートされた知識を手に入れてください。

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多分投稿者さんは、「漠然とした不安」との戦いをしてしまっていて、しかも自分が孤立無援で、何の武器ももたない丸腰のままに猛獣が潜むジャングルに放り出されてしまったような気持ちになっているのではないでしょうか?

「どうすればいいかわからないもの」が怖いのは当然です。だったら、「この時はこうすればいい」「この時はここに相談すればいい」のシミュレーションをしておけばいいのです。御親戚が近くにいないのであれば、同世代くらいのお友達に「親の介護、どうしてる?」と相談してみてもいいでしょう。40代の友人たちの中には、ご自身のことではなかったとしても、身近で介護経験がある方もいらっしゃいます。

もちろん、各家庭ご事情はさまざまでしょう。兄弟姉妹に頼りっきりという人もいるかもしれません。そういう方の話はなかったことにして、参考になりそうな具体的な話を見つけていきましょう。

おそらく経験者はエピソードをたくさんお持ちですから、話したくてしょうがない、という方がとても多いです(永藤かおる調べ)。そこでいろいろ話を聴いて、共感したりビックリしたりしながら、知識を蓄えてみてください。そうすれば、漠然とした不安を手放し、「その日のために」理性的で現実的な準備をすることができます。

私にも後期高齢者の母がいます。一緒に知識を増やしておきましょう。

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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