話している相手が嘘をついているか見るだけでわかったら──。そんなにわかには信じがたいことが本当に分析できるといいます。そこで今回は、メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の中で、FBIやCIAでも使われているという表情分析を使った嘘発見方法についてご紹介しています。
表情でウソとホントを見極める方法⇒『裏切り者は顔に出る』
清水建二・著 中央公論新社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、FBI、CIAでも駆使されている「表情分析」テクニックを用いて、相手のウソを見抜く方法を指南した一冊。
著者は、防衛省研修講師で、表情分析のプロ。国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人である清水建二氏です。
本書では、万国共通7つの表情と、準万国共通の9つの表情を解説。
◆万国共通7つの表情
・幸福
・軽蔑
・嫌悪
・怒り
・悲しみ
・驚き
・恐怖
◆準万国共通の9つの表情
・羞恥
・恥
・誇り
・痛み
・罪悪感
・畏怖
・同情
・欲望
・はにかみ
表情分析の素材として、事件がらみのニュースやインタビュー、外交現場での要人の表情、表情づくりのプロであるアイドルや芸能人の本音が垣間見えた瞬間などを用いており、興味深く読めて実践的な内容です。
上司の立場にある人なら、どの部下が会議についていけてないか、最終案に渋々同意しているのは誰か、写真入りで解説された部分が参考になると思います。
表情以外にも、ジェスチャーや会話、日常に潜む危険サインなどが紹介されており、ビジネスやプライベートで身を守るための知恵としても使える一冊です。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
万国共通の7表情が、ときに抑制され、部分的な表情として生じることがある一方で、準万国共通の表情は顔全面にわかりやすく生じる傾向にある
私たちは、ウソをつこうとするとき、「恐怖、嫌悪、軽蔑、罪悪感、騙す喜び」といった感情が生じます
オープン・ポスチャーがとられるとき、人物はポジティブな感情・気分にいる
クローズド・ポスチャーがとられるとき、人物はネガティブな感情・気分状態にいる
ウソを隠している者は、首を縦に振るジェスチャーが少なく、首を横に振るジェスチャーとシュラッグが多いことが観察されています
正直な話を話しているときと比べ、ウソをついているときは、身ぶり・手ぶりが減る傾向にあります。これは図式化する情報が不足しているからです
人は、何の価値判断もされていない中立的な言葉を耳にすると、自分が気にしていることに関連付けて解釈します
次の8つの項目にチェックが入るほど、実際の体験に基づく可能性が高い発言と判断出来ます。
1.発言内容に整合性がある
2.空間情報がある
3.時間情報がある
4.人に関する情報がある
5.五感情報がある
6.その他の詳細情報が豊富である
7.順序立っていない発言がある
8.発言内容の訂正がなされる
逆質問とは、時系列を逆にして問うテクニックのことです(中略)真実の体験者ならば、逆質問に答えることによって記憶が再構築され、最初の回答にさらなる情報が追加されたり、修正が入ったりし、より詳細かつ豊富な回答をすることが出来ます。ウソつきは、逆質問をされても、再構築する記憶がないため、時系列順で答えた回答と同じ内容、回答の繰り返しとなり、より詳細・豊富な回答にはなりません
「右上を見たらウソをついている」
「顔に触るのはウソのサイン」
「腕を組むのは否定の証拠」
などを信じている人は、ぜひ読んで、正しい情報を入手していただきたい。
表情分析もさることながら、会話の中身や質問によって相手のウソを見抜く方法が大変勉強になりました。
ぜひ、読んでみてください。
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